そうだ!ぱち屋に行こう♪

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「〇ハン駅前店本日新台入れ替え」 と書かれている派手な広告が目に入った。 『金色の蛇、茶柱3本、右手の招き猫が元気いい ピカピカトイレ、ピカピカの風呂場』 普段パチンコなど見向きもしない俺だが 何となく「久しぶりにやってみるかな」 などと思ってしまった。 昼ごはんも食べ終わり妻に言って見た。 「なあ、久しぶりにパチンコ屋に行ってみようかな」 「あら、どうしたの?珍しい事言うわね」 「夢見も良かったしちょっとね」 「いいんじゃ無い、行ってくれば」 妻からもいい返事をもらった。 「でも、あまり使わないようにね」 「わかってるよ、心配するな」 妻の了解も得て俺は意気揚々と駅前のぱち屋に 自転車で向かった。 小遣いでやるのだからそんなに使えない。 でも今日の俺には 『金色の蛇、茶柱3本、右手の招き猫が元気いい トイレの神様、風呂場の神様』が付いている。 負ける気は一切しない。 自転車を漕ぐ足に力が入る。 物の数分でぱち屋到着、駐輪場に自転車を止め 鼻息荒くパチ屋の門をくぐる。 流石に混んでいる、だが空いている台も 数多くあるようだ。 一応店内を一回りしてみた。 初めて見る台ばかり、独身の頃は結構やっていたのだが、結婚してからは数えるくらいしかぱち屋に 入っていない。店内を回っていたら 海の台があった。昔はこれをよく打ってたな と思いながら、その台に座った。 「さて、『金色の蛇、茶柱3本、元気の良い右手の 招き猫、トイレの神様、風呂場の神様』 よろしくお願いしますよ!」 気合を入れてまず千円投入。 すると、何と最初の千円で当たりを引いてしまった そして、それが3回続いた。3回で当たりは 終わってしまったが気分を良くした俺はそのまま続行 その後、当たりは全く来なくなってしまった。 3箱出た玉が、ひと箱無くなり、ふた箱無くなり 全て無くなってしまった。 いつもの冷静沈着な俺なら、「今日はもうやめた」 となるのだろうが...... 『金色の蛇、茶柱3本、右手の招き猫が元気いい トイレの神様、風呂場の神様』が付いている俺には その考えは浮かんでこなかった。 今日は絶対に出るはず! 根拠のない自信と共に打ち続けた......... そして30分後、何と!何と! 『一万円』 も使ってしまった。意気消沈した俺は これ以上は勿体無いと思い、ぱち屋を後にした あの幸運な出来事は何だったのだろうか
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