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それからというもの、私は本当におかしくなった。
一日中何をしていても、太田くんのことを考えてしまう。
もう、起きたかな?
今日は昼食は上手く作れたな、太田くんはどんな食べ物が好きなのかな?
今はどこにいるのかな?
誰といるのかな?
何してるのかな?
あの顔でうひゃひゃって笑ってる?
御飯は何を食べたのかな?
今日は塾の日なのかな?
部活は忙しいのかな?
夏休みの宿題はもう終わったのかな?
何時くらいに寝るのかな?
しかも、この前の登校日から2週間以上経った今もずーっとこの調子なのだ。
いや、多分どんどんひどくなっている。
隣の席の人が、こんなに自分のこと考えてたら気持ち悪いよね。
太田くんに嫌われちゃったらどうしよう。
なんでこんなふうになっちゃったんだろう?
「うおおーーーー」
やるせない気分になった私は、野太い声で唸りながらベットの上をゴロゴロ転がる。
「ねーちゃん、うるさい。夜中に変な声出さないで!」
隣の部屋から翔真の怒鳴り声がした。
もう22時。小学5年の翔真はそろそろ寝る時間だ。
それに、唸っていても解決にはならない。
私はスマホを手にすると、メッセージアプリを開く。まだ2人とも寝てないと思うけど。
優花 : どうしよう。私へんかも
あいり: その発言がすでに変だよ
サエ : 何が変なの?
優花 : ある人のことが気になって、ずーっと考えててへんな声とかでる
サエ : それ普通。皆なったことあると思う
あいり: 私は変な声は出ないけどそんなこともあった
サエ : よし、集合しよ。明日の午後、予定空いてる?
あいり: 空いてるよー。ゆーかは?
優花 : 大丈夫
サエ : じゃあ、14時にうちね
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