君＝アメリカーノ

2

「あなたはスイスに行くことになりましたよ。」
「えっ！！？なんで私が！？」

私は突然、本当に突然、遠くに行くことになってしまった。その言葉を告げられた後、絶対に叶奏に会わなきゃ後悔する。と思って、約束していたいつものカフェに行った。

カフェの外に叶奏がいた。私は走って抱きついた。

「私…遠くに行くことになった。」

　勇気をだして言った。下を向いていた顔をあげ、叶奏の顔色を伺った。
いつもの叶奏とは違って、口が空いて手が止まっていた。本当にビックリしていたのだろう。

「遠くって。どこに？」
「…スイス。」

その言葉を発した瞬間、叶奏の目から涙が零れていた。
そんな彼を元気づけようと、

「ほおら。目から鼻水出てるよ、笑」

そう言うと叶奏は笑ってくれた。私はその笑顔が大好き。大好きだ。