第1章 姉の婚約者

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わけのわからない男に会った後は、癒されたい気分になる。 「(ゆず)ちゃん、今日ももしかして会ったの?お姉さんの婚約者の人に」 もうすぐ付き合って1年になる彼はとても優しい人で、ふんわりと包み込んでくれる笑顔に癒される。 一気に胸のもやもやが晴れるような気がした。 「うん、(あゆむ)くんも会ったら、わたしと同じこと思うよ。本当わけのわからない人だから」 「そっか、じゃあ、はい」 そっと手を広げる彼にわたしはぎゅっと抱きついた。 歩くんの腕の中は温かくて、とても落ち着く。 嫌なことがあったときは、こうしてもらうと心が安らぐ気がするんだ。
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