後編

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「じゃあ今度、私の乗馬にも付き合ってくださいません?」 「エリザベス嬢は、馬にお乗りになるのですか?」 「ええ、たしなみ程度には」  リズは少し顔を下げ、あからさまにエドワードのコッドピースに視線を送る。 「特に……大きい馬が好きですわ」  き、きわどい発言なのでは!? と思ったが、エドワードは「そうですか」と爽やかに返した。 「眺めるぶんにはいいですけど、乗るならやはりご自身の体格に合った馬を選ぶのが一番ですよ」  妙にいやらしく聞こえてしまう自分が嫌になる――なんて思ってたら、リズも意味を含ませたやり取りをしているつもりらしく、やけにしっとりとした声で告げた。 「大きくても……私は大丈夫です。相性も良さそうですし……」 「そうですか?」 「とても……魅力的だと思います」 「はあ……」  胸の膨らみが触れてしまいそうなほど近づいてきたリズにエドワードもさすがに何か察知したようで、少し後ずさりして話を切り上げようとする。 「で、では私はこれで」 「エドワードさまっ!」  リズはエドワードの腕にしがみつき、胸をぎゅうっと押しつけて引き止めた。 「どんなに大きくても、私は受け容れてみせますわ……!」  頭がカッと熱くなる。次の瞬間、わたしは足を踏み出して叫んでいた。 「もうやめてっ!」
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