5人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ今度、私の乗馬にも付き合ってくださいません?」
「エリザベス嬢は、馬にお乗りになるのですか?」
「ええ、たしなみ程度には」
リズは少し顔を下げ、あからさまにエドワードのコッドピースに視線を送る。
「特に……大きい馬が好きですわ」
き、きわどい発言なのでは!? と思ったが、エドワードは「そうですか」と爽やかに返した。
「眺めるぶんにはいいですけど、乗るならやはりご自身の体格に合った馬を選ぶのが一番ですよ」
妙にいやらしく聞こえてしまう自分が嫌になる――なんて思ってたら、リズも意味を含ませたやり取りをしているつもりらしく、やけにしっとりとした声で告げた。
「大きくても……私は大丈夫です。相性も良さそうですし……」
「そうですか?」
「とても……魅力的だと思います」
「はあ……」
胸の膨らみが触れてしまいそうなほど近づいてきたリズにエドワードもさすがに何か察知したようで、少し後ずさりして話を切り上げようとする。
「で、では私はこれで」
「エドワードさまっ!」
リズはエドワードの腕にしがみつき、胸をぎゅうっと押しつけて引き止めた。
「どんなに大きくても、私は受け容れてみせますわ……!」
頭がカッと熱くなる。次の瞬間、わたしは足を踏み出して叫んでいた。
「もうやめてっ!」
最初のコメントを投稿しよう!