うつむくひまわり

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愛しさが溢れて、涙が次々に流れ落ちていった。温かく、心が満たされていた。 あー…私、結構ダメージ大きかったんだなぁ。 頬を両手で包まれて、私はそっと顔を上げた。裕貴が笑って、私も笑った。 俯くひまわりたちに囲まれて、私と裕貴はキスをした。 「誕生日おめでとう」 「うん」 手を繋いでひまわり畑から出た。八月最終週、快晴。これからまだまだ気温は上がる。年下の裕貴とまたバイクに乗って、出会う前の二日間の思い出を上書きして行った。たくさん遊んで、たくさん食べて、たくさん笑って…人生で一番幸せな日を過ごした。 二日後、私は旅行を終えて日常に戻る。裕貴とは、中距離恋愛に…なるのかな? 「ごめん、バイトもう休めなくてさ」 「いいよ。大丈夫」 「連絡、するから‼︎明日も明後日もその先もずっと…」 「うん」 ホテルに送って貰ってから三十分後に裕貴から『帰ったよ』とLINEがきて、私はそれに『今日はありがとう』と返した。 翌日も朝から数回のやり取りをした。夕方の『これからバイト』に『頑張って』と送って… それきり連絡はこなかった。
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