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連絡が取れないまま帰宅の日を迎えた。私は予定より早くチェックアウトをしてバスでひまわり畑に向かった。何通か送ったメッセージは未読のままだった。
家も知らない。バイト先も知らない。大学も知らない。苗字も知らない。考えたら、LINEの繋がりしかなかったんだ…私たち。
うつむいたひまわりに囲まれて、辛くて苦しい涙を落とした。かけ続けた電話がやっと繋がって、電話口から気だるそうな声で一言
『もう二度とかけてこないで』
そう言われた。
夏の終わり。
一瞬の恋が始まって、終わった。
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