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社長は思いつきでハワイに来たけれど、思いつき以外にも思惑はあったらしい。
「いつも木之下が無理してるのはわかってるからよ。でも、うちがプラチナムの尻拭いする必要はない」
社長は画面から目を離さず、手も止めずに作業を続ける。
「取引は続けていくもんだからよ。負担や不平を溜め込みながら進めてたらいつか潰れちまう。だから、思考を遠くに飛ばす必要があるんだ。これは本当に今必要か? ってな」
「恩を着せる、恩を返す、これが出来てこその社会人の取引です。木之下くんは今後学んでくださいね。今回は先輩の私達がうまくやりますから」
そうだ、ハワイに行こう! と、行った結果見れたのは、僕を想像以上に大事にしてくれる社長や先輩達の姿だった。白峯さんが作ってくれた目を引く商品画像を見て、僕はまだまだ自分が勉強不足なことを思い知らされる。
(同じ仕事でも、僕はまだまだだ。でも、この仕事を続けて、もっと上手いものを作りたい。そのためにも交渉方法だって学ばないといけない)
「さて、そろそろ進捗は80%です。後は優秀なオペレーターが居れば三人であと1時間で終わるでしょう」
「僕も! やります!」
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