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「“Good boy”」
じっと見上げると、先生は俺の頭を撫でてゆっくり微笑んでくれる。
「航生、その姿勢上手ですね」
おすわりを褒められただけで、こんなにも嬉しいなんて。
俺の顎に指を伸ばしてそっと顎先に触れられただけなのにドキドキしてもっと触れて欲しいとも思う。そして、
「航生……Strip」
コマンドを聞いてスウェットを脱ぎ捨てた。
足は動かさないまま上だけを脱いで床に落とす。
見上げると、先生にもじっと見られていて俺は少し視線を下げた。
「……下、も?」
最近上は脱ぐようになったが下はまだ穿いたままでしかプレイしたことはない。
でも、何となく感じた空気を読むと、先生はふわっと笑った。
「できるんですか?」
先生は決して無理強いはしない。
こうやっていつも俺に少しの猶予をくれる。
「……」
恥ずかしくて返事はできず、頷いて膝立ちになると俺はウエストのゴムに手を掛けて一度先生を見た。
優しく見ていてくれる先生。
だが、こうやって自らもう少し踏み出すのはかなりドキドキする。
いっそのことコマンドで命令してくれればいいのに、先生はそれはしてくれないから。
見ていることはできなくて俯いてからゆっくり下も下ろした。
「震えていますが……大丈夫ですか?」
「……うん」
恥ずかしいだけのものを確認されると余計に恥ずかしくなる。
「なら……そこに脱いで……“Come”」
ベッドに乗った先生に言われて、俺は立ち上がりつつ膝で止まっていたスウェットを足から抜き取った。
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