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「大丈夫ですか?」
両頬に手を添えて覗き込まれて何とか乱れた呼吸を整える。
なのに、その間にまたキスを繰り返されて抱き締められながら何度も唇を合わせた。
「あぁ……垂れちゃいました?」
フッと笑って親指で唾液を拭われて、恥ずかしさが膨れ上がる。
「いい表情ですね」
真っ赤であろうその顔を見てゆっくり頬を撫でられてその手に擦り寄ってしまった。
この手が好きだ。
見つめられる優しいグレアのゾクゾクも。
「冬、弥……」
込み上げてくるままに名前を呼ぶと、ブワッと先生の欲が高まるのを感じた。
質の変わった肌を刺すようなピリピリとしたグレアが俺の全身を包んで、所有を宣言されているような気がする。
「っ……反則、です」
グッと堪えるような顔の先生が俺の額から耳へと指を滑らせてきてまた深く口づけてきた。
そのまま指で耳を撫でつつもう片方が腰から胸へと上がってくる。
「んっ!!」
胸の粒を抓まれて声が出ると、先生が口を離して笑った。
その欲を孕んだ笑みにまたドクドクと心臓が音を立てる。
「痕、付けてもいいですか?」
「え?」
「ダメ?」
小首を傾げているが、その目がもうダメなんて言わせないと告げていた。
こんなにも先生に雄々しさを感じたのは初めてかもしれない。
「ダメ、じゃ……ない」
ドキドキしながら答えると、笑った先生が俺の頬、顎、首、鎖骨とチュッと音を立ててキスをしていく。
胸元でチリッと僅かな痛みを感じると、先生は顔を上げて満足気に指でなぞった。
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