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驚くほどに息が切れてひっくり返されても何とか先生に縋り付くだけで精一杯。
「ふふ、腰抜けちゃいました?」
嬉しそうに笑う先生の顔なんて見られない。なのに、
「“Look”」
先生はわざとコマンドを使って見つめさせてきた。
逆らえないことをわかっていてふわりと笑われる。
そして、澄んだ茶色の目がゆっくり細められて、
「“Kiss”」
続けてコマンドを使われてクラクラしながら顔を近づけた。
唇が触れて、離れるのをまたすぐに追いかけられる。
「んっ……ふ、んっ……」
絡めて混ぜられる唾液が俺の口の端から溢れていくのはわかるのにそのキスに応えるだけでもう溶けた脳では何も考えられない。
二度の射精と甘いコマンド。更にこんな蕩けるようなキス。
「……そんな誘うような顔をして……」
ソファーに押し倒されてスルリと頬を撫でられるのがゾクッとしつつ気持ちいい。
辛うじて引っ掛けているだけのパーカーとか、膝までズリ下がっているスウェットとパンツとか……そんなものを気にする余裕もない。
先生が覆い被さってきてギッとソファーが音を立てる。
首筋を指で撫でられて微笑まれているだけなのに、ゾクゾクと背筋を這うような感覚に目眩がした。
「あ……」
「“Stay”」
身動きすら制限されて顔を隠すことさえできない。
先生の指が鎖骨から胸、腹と降りていってその微妙な刺激にさえビクビクと身体を跳ねさせてしまうのを必死に堪らえた。
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