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「かんぱ〜いっ！」
にこにこと佐藤くんがビールジョッキを掲げて、隣に居る俺と俺の向かいの福佐くん、その隣の井戸田くんもジョッキを寄せる。
「結局、この四人か」
「ねー」
井戸田くんが半分ほど飲んだジョッキを下ろすと、福佐くんもすぐにジョッキを置いて目の前の料理に手を伸ばした。
「三浦くんも新婚でもう構ってくんないだろうしねぇ」
佐藤くんが笑うと、
「三十までに結婚したいってずーっと言ってたからなぁ」
「んー？三十二の俺にケンカ売ってる？」
唐揚げを頬張りながら笑った福佐くんに井戸田くんが肩を組んで顔を寄せる。
口をモゴモゴさせながら福佐くんが首を横に振るのを見て俺たちは軽く笑いながらポテトを摘んでいた。
まぁ、三浦くんも結局三十になって結婚したんだが。
結婚……そう思うと、同性同士である俺と先生にはもう縁のない言葉なのかもしれない。
あ、このままパートナーであり、恋人であれば……だが。
「ま、それより今、一番の心配事は来週の懇談会かなぁ？」
すぐに切り替えて井戸田くんが再びジョッキに口を付けるのを見ながら俺たちはみんなで頷く。
どこも来週は二学期の個人懇談会らしくて、どうしたってその期間は気を遣うししんどい。
「福佐くんの小学校はいいでしょ？」
「児童が落ち着いてるからって親も平和とは限んないんだよ？」
「あー……」
どこも苦労がないわけではないらしい。
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