何で?

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 個室で気兼ねなく飲んで食べて……井戸田くんは机に突っ伏して寝ており、福佐くんがケラケラ笑いながら井戸田くんの背中を撫で続ける謎の光景。 「で?何が不満って?」  こっちもだいぶ酒が入っているらしく真っ赤な顔で佐藤くんはにこにこしてくる。 「不満っていうか……」  俺もそれなりに飲んでぼーっとしていると、佐藤くんは空いていたお猪口にトクトクと日本酒を注いだ。 「喋っちゃいなよ?懇談で確実に疲れるのに溜め込んでんのはよくない」  そのまま一つお猪口を渡されて、クイッと飲む佐藤くんを見ながら俺も口をつける。 「プレイのこと?」  はぁ、と顔を綻ばせながらお猪口を置く佐藤くんの少し色っぽい表情を見て頷くと、佐藤くんはニィッと口の端を上げた。 「エッチもした?」 「それは…………まだ」 「へぇ……シて欲しくなった、ってこと?」  明らかにニヤニヤされてもどう答えるべきか迷ってしまって言葉にできない。 「いいんじゃない?正式なパートナーなんだし、シてって言いなよ!」 「そんな!!」 「んー?むしろ、コマンド使ってもらえば?コマンドで口を割られるってドキドキしてめっちゃクラクラしない?」  思い出したのかトロンとした顔をする佐藤くんをどんな気持ちで見たらいいのか?  確かにコマンドで言わされるのは普通に言うよりも更にドキドキする。  内緒にしようと思ったことを言わされるその感覚は独特だ。
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