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「んっ……っ!?」
目を覚まして起き上がろうとした俺はあまりにもの頭痛に呻いて突っ伏す。
やたら喉は渇くのに下手に動けない。
しかも、飲んでいた途中からの記憶もない。
俺はどうやってここまで帰って来たのだろうか?
「あ、起きました?」
顔を上げようとしてまた頭痛に襲われていると、先生はベッドに腰掛けてゆっくり俺の背中を撫でてくれた。
「大丈夫ですか?お水飲めます?」
優しい声だが、いつもと少し違う気がするのは気のせいだろうか?
「飲みたい……けど、頭がかなり痛くて」
「二日酔いですね」
「うん……情けない」
額に手をを当てられて、その手を感じながら目を閉じた。
こんなになるほど飲んでしまったなんて、反省と後悔が押し寄せる。
「航生さん、体、支えましょうか?それとも口移しがいいですか?」
「いやっ!!大丈……」
「昨夜は支えたら甘えた声を出して、口移しも強請って下さったのに?」
「はぁっ!?」
声が裏返って、一瞬頭の痛みさえ吹っ飛んでしまった。
「いつまでも連絡ないから電話したら佐藤さんが応対して下さいまして、お迎えに行きましたが……覚えてないですか?」
どうやって帰ってきたかは判明したが、全く記憶にない。
「飲み過ぎないようにって言ったのに……お仕置きしますよ?」
耳に口を寄せて囁かれてピクッと跳ねると、先生はくすくすと笑った。
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