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夕飯が終わったら大人なプレイでも……そんな気がしたのに、先生は片付けを終えると笑顔で俺に紅茶をくれて風呂に行ってしまった。
また、何もないなんて……俺が勝手に期待してしまっただけなのにヒドく落胆してしまう。
学期末でやらなければいけない仕事は多い。
だが、個人情報過ぎてほとんどが学校でないとできないものだ。
だから、ここでは家でもできる教材研究をしたり、冬休みに出張で使うレポートを書くくらいしかできない。
「……はぁ」
ついため息が溢れてテーブルに突っ伏す。
さっきの先生の目を思い出すだけでドキドキするのに……。
きっと先生はお風呂から上がったら俺の手を引いて寝室に一緒に行ってくれる。
優しいコマンドとキスをしてくれて一緒に眠ることになるだろう。
深いため息を吐いた瞬間にメッセージが届いた。
『今、電話できる?』
送り主は佐藤くん。
「どうかしたか?」
そのまま電話を掛けると、佐藤くんはくすくすと笑った。
『あれ?不機嫌?』
「別に……」
『えー?まだ欲求不満なの?』
その弾んだ言い方に少しイラッとする。
「違う」
否定したのに佐藤くんは笑っていた。
『あの優しそうな彼氏なら「抱いて」って言ったらすぐにシてくれそうじゃん?』
言い返そうとして止める。
佐藤くんのその口振り……いつ?なんてあの同期会の時しかないのだが。
「先生に……会ったのか?」
隠していたかったわけではないが、色々気にはなった。
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