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「周防先生、“Come”」
低く優しい声音に誘われるように足を踏み出してしまう。
手を差し出されてただそれだけしか言われていないのに、頭が溶けるような、フワフワとした感覚。
全身痺れるようなこのゾクゾクするような甘い快感は何だろう?
いつもコマンドなんて聞いたら吐き気がするのに、不思議と嫌とも思わない。
むしろ、心地よくてちゃんと従いたくて仕方ないくらいだ。
歩いて行ってその手に触れると、微笑んで抱き締められる。
「“Good boy”」
頭を撫でながら囁かれて、ブワッと一気に今までのモヤモヤも重怠かった身体も軽くなった。
「あ……」
気持ち良すぎて脳が痺れる。
ギュッと思わず縋り付くと、深谷先生はそのまま背中を擦りながらただ優しく抱き締めてくれた。
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