最後の花火

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花火大会の会場には、たくさんの出店が並んでいて、たくさんの人が出店に並びながら花火の打ち上げを待っている。人が集まっているせいか、それとも夏の夜の暑さのせいか、熱気がムワリと襲い掛かってくる。 「あっち〜……。もうすぐ九月だっていうのに、めちゃくちゃ暑いよな。地球温暖化のせいか?」 「九月からは一応秋のはずなんだけどね。十月にならないと暑いよ」 「とりあえず、冷たいもんでも食うか。夏帆は何か食べたいもんあんの?」 「えっと……んじゃあ、冷やし胡瓜」 目の前にあった冷やし胡瓜を私が指さすと、「かき氷とかじゃねぇのかよ」と夏希が笑う。悪かったな、色気のない食べ物をチョイスして。 「冷やし胡瓜おいしいじゃん!かき氷は食べてると頭が痛くなるから嫌なの」 「あ〜、アイスクリーム頭痛な。じゃあとりあえず胡瓜食うか」 冷やし胡瓜は、フライドポテトやクレープより並んでいる人が少なく、あっという間に順番がやって来る。私は塩を、夏希は味噌を胡瓜にかけ、かぶりつく。 「おいしい!」 「冷たくて生き返るな〜!」
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