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サマーライトと日々を共にするようになってから、繰り返し同じ夢を見るようになった。
それは、過ぎ去った夏の日々を映す走馬灯だった。狂おしいほど懐かしく、忘れ得ぬ光景の数々。中でもひときわ鮮烈な印象を放つのは、幼少期に過ごした夏の記憶だった。
子供の頃、自分にとって夏とはすなわち光だったように思う。
目が眩むほどの日の光や、それを受けて波打つ海の煌めき。夜空に咲く花火や彷徨う蛍火。
たくさんの光に包まれ、たくさんの笑顔に囲まれていた。たとえまた巡りくることがわかっていても、夏の終わりはいつだって宝物を失うことのように寂しい気持ちになったものだ。
だからこそ、夏の思い出は他のどの季節のものよりも燦然と輝く。そしてそれは、誰にでも平等に訪れる美しい時間なのだと信じていた。
だけどその考えは間違っていた。
あの時間は、奇跡そのものだったのだ。
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