サマーライト

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 それから何日か経っても、サマーライトが完成することはなかった。  この瓶に夏が充ちた時、いったい何が起こるのかはわからない。しかし、これだけ熱心に観察を続けているのだから、変化に気づかないはずがない。  やり方を根本的に変える必要もあるのかもしれない。夏の光を十分に与える。それはどういう意味なのだろうか。日光に晒した時間についての表現なのか、もしくはその強さなのか、種類なのか?  もはや俺は、サマーライトの事しか考えられなくなっていた。きらきらと弾け続けるその煌めきに、強く心を惹きつけられてしまっていた。
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