残夏の告白(ざんかのこくはく)

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 あれから一度も、じいちゃんに会えていない。  義父さんが逮捕されてすぐ、母さんは僕を連れて実家のある北海道へと引っ越した。この家に来れば、いつでもじいちゃんに会えると思ったのに。 「ボク、がんばったよ。ちゃんと見ていてくれた?」    (うつむ)くボクの髪を、風が優しく撫でた。  ふと見上げた空には、大きな虹の橋が架かっていた。
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