32.

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32. 俺達、ロイ達は決戦の場所山下公園に向かっていた。 ロイは、過去を回想し…レオをロイは怨んでいた… ロイは野心があることから、幼い頃の貧相な生活からの決別を常に考え生きてきた… 貧乏だったが、厳格な父親に育ってられ、いつの間にか、多重人格になっていた。 それは、父親は大した稼ぎも無いのに、自分だけのために金を大半使っていた。 ある時の夕飯…ロイに対する食事は、玄米のみであった。 それに対し父親は、自分の稼ぎとばかりに、晩酌、つまみなど考えられない夕食を取っていた。 ロイへの口癖は、「この穀潰しが!」と虐待的な暴力であった。 ロイは、父親の影響からかサイコパスの遺伝があり、言葉の暴力には、さほど痛みは感じ無かったが… しかし… 暴力と飢餓には耐えられ無かった。 そこで、ロイは常に自分に言い聞かせたていた! 暴力には… 「これは、俺の痛みでは無い…」 「これは、心にいるやつの痛みだ」 飢餓は… 「俺は、腹なんて減ってない!」 「心の中のあいつだけが減ったんだ!」 ロイは、このように擬人化して自分を守っていた。 母親は、こんな父親だった事から、男を作り…ロイを捨てた。 父親は、母親が居なくなっても変わる事無く、躾けとして、ロイをいたぶり続けた… ロイは、このままだと父親の虐待により餓死する事が見えていた… ロイは15歳を迎えた… ロイが優れていたのは、頭の回転が早い事であった。 そして、勉強もでき指導力もあった。 「ちがう世界」では、15歳までは義務教育で、優秀で有れば金が無くても学ぶ事が出来た。 ロイは、学ぶ道を選び父親との決別を決意した… 決別とは、ロイからすると…父親から、逃げること? 「あいつはしつこく、俺を追い回してくるよなぁ?」 「そして、あいつは、働かなくなり…」 「ダニの様に、俺にたかるな…?」 「あとは…殺すことだな?」 ロイは父親を殺す事に全く違和感が無かった! それは、父親にも母親にも愛を与えられるず、孤独であったからだ… ロイには、兄弟が無く唯一好きだったのは、書物を読むことと、人について考える事だった。 人の感情には、興味がなく、いかにこれから、周りの人を利用するか… そして、その人の価値が無くなれば殺す… ロイは、そう言った考えを持っていた。 だから、あいつ…父親を殺す事に決めたのであった! ロイは以前、すでに人を殺していた… それは、学生時代の事だった。 ロイは、頭が良く容姿端麗で、女の子達から人気があった。 しかし、それを妬む者も多かった。 ロイは、昼は勉学に夜は食べる為に皿洗いなどして働いていた。 ある時、妬む者と運悪くロイが働いているレストランのトイレで遭遇した。 「お、ロイじゃないか?」 「お前、何でここに?」 ロイは、特に何も言わずに仕事場に戻った。 翌日になり… 妬む者が、ロイのクラスにやってきた。 「ロイ!知ってるよなぁ?」 「お前は、優秀だから学費タダだよなぁ?」 「そのお前が何で…レストランでバイトしてんだ?」 「バイトは禁止だぜ!」 それでもロイは、黙っていた! 「黙っててやるから…」 「わかるよな…?」 「放課後、体育館の裏に来い!」 「来なければ、バイトのこと…」 「バラすぞ!」 「わかったな!」 ロイは、それでも黙っていた… ロイは、ここでうかつに話ば動揺はないが、相手に主導権を握られる事を知っていたからだ! ロイは、ここで妬む者を殺す事を決意した。 ロイは、やはりサイコパスであった事から… 昨日レストランのトイレであった時から、妬む者は必ず脅しに来ると放課後合う前から察知していた。 案の定、妬む者がやってきて…ロイを脅した… そして、ロイは、その日の授業中に殺人計画を考えていた。 殺人計画は、呼び出された体育館裏に、ロイが先に妬む者を待ち伏せして… 殺害は絞殺に決めた…それは殺傷では血液など…現場に証拠が残る事を避けたかったからだ。 昼休みに、ナイロン性ロープを近くのコンビニで調達し… 殺人の手順は… 1.ロイは、体育館物陰に待機 2.妬む者が現れる 3.妬む者に気づかれない様に背後からナイロンロープを2重にして絞殺する 4.妬む者の死体を近くの森に放置 *発見されるか?されないか ? は、少し不安要素 5.深夜、軽自動車で移動 *「ちがう世界」では、優秀で ある事が条件で15歳から自 動車免許が習得できた。 *軽自動車は、レンタルで事前 に借りておく。 (昼休みに電話で予約) 6.自宅に運ぶ *絶対に人に合わないように細心 を図る ロイは、以上の殺人計画を実行し妬む者を殺害した。 そして、遺体を自宅に運んで…ロイは、死体を誰にも気づかれずに、家に上げる事ができた… ロイの家は、父親と二人暮らしで、かなり古く、老朽化していた。 そこで、借りていた1軒屋には離れがあり、ロイはそこで一人暮らしをしていた。 部屋にビニールシートを二枚敷き、死体を置いた… ビニールシートを二枚敷いたのは、血液が床に浸透することを怖れたからだ。 死体の解体が始まった… 解体は、出刃庖丁、ノコギリ、刺身切庖丁を使用して頭部の切断から始まった… 「いや、かなり骨が硬いなあ!」 「出刃庖丁ではキツイから…」 「ノコギリでやろう!」 「しかし、血がこんなに出るとは…?」 ロイは、独り言を言いながら、両腕、脚、胴体は半分に解体していた… 遺体の各部位をビニール袋に詰め込んだ… そして、妬む者を完全消滅させる為に… 「ちがう世界」では、一般に出すゴミは、国の焼却設備で処理していたので… ロイは、人の痛みを知らないサイコパスであり、また、多重人格者でもあったことから死体を切り刻む時は、100%サイコパスになり、作業者としての人格となり、もう一人の人格に支配され強制的にやらされていた! この人格が、悪の根源でロイを99.7%支配していた! 残る0.3%は、良心としていたが… その0.3%は、悪の根源に強制的に作業させられる作業者の人格なのかは…定かでは無かった。 支配だけを下す、悪の根源的人格は、妬む者の死体を完全に抹殺し完全犯罪を考えていた! 妬む者を殺し全て影も形も無くし、葬る事…それが完全焼却であった。 火葬場で遺体を焼却した場合は、もろくはなっているが、骨は残り、親族が骨箱に入れることになっている…これは、一般的な火葬の話である。 完全焼却するには、国が使用している…焼却炉に投げ込む事である! しかし… ゴミ取集場所に死体を置き回収させて廃棄することは…? 死体が発見されるリスクが大きい! 完全焼却、完全犯罪をするには、 自らの手で焼却炉に死体の部位を捨てる事であった? そこで、ロイは気がついた! 「あ、あそうか?」 それは、毎月一回、自ら、粗大ゴミを捨てる事が出来ると… 「粗大ゴミ!自分で捨てよう!」 キャンペーンであった! その日に、死体を軽自動車で運び、国の焼却炉での完全焼却実施を考えた。 そこでロイにある不安が? それは遺体を自ら焼却炉に投げ込む前に… 国職員が袋の上から触る確認があったのだが… 月一回のゴミ捨てよう、キャンペーンが明日となった… 近頃、死体の腐敗臭が、少々鼻につきはじめてきた。 「このままでは、ヤバイなぁ?」 「必ず、ざーとだが、チェック、される…」 「消臭して、再度細かく斬りきざんで…」 「布で包んで…」 「何を棄てるのですか?」 「って聞かれたら…」 「ボロ切れですってか?」 こんな、独り言を言いながら、ロイは死体を再度細かくし、シュミレーションしていた… そして、徹夜で死体解体作業を終え、指定の時間8時に軽自動車で運んだ。 はじめより袋の数が増えたのでヤバイかなと思ったが… それは、問題無く… しかし … 「少し生臭匂いがするね?」 国の職員に訪ねられた。 「はい、魚を解体して拭いた布なんですよ!」 「そうですか、わかりました」 なんとか、これで… 妬む者の死体を… 完全焼却… 完全消滅… 完全犯罪… する事が出来たの…だった。 ロイは、妬む者同様、父親を殺した。 父親は、「ちがう世界」ではどうでも良い存在であったことから、 あまり、ロイへの尋問はなかった! それは、国の為に貢献していない父親に対し政府は人間としての価値が無いと…判断していたからだ? 父親の死因は、溺死であった。 父親は、酒が好きで飲んで酔うと、ロイに絡み暴言、暴力を振るっていた。 ロイは、バイトで稼いだ金で、酒、食べ物を買い、しこたま酒を飲ませ… そして…とどめは睡眠薬を酒に入れ、眠らせ… 裸にして、浴槽に入れ… 溺死させたのであった。 ロイは、この瞬間、何かが開けた感じがした。 普通では考えられない爽快な気分だった… それは、これで自由を手に入れた事と! ひとつの快楽が、ロイの心に芽生えたのであった! ロイは、サイコパスである事か ら人の痛みを感じない人間であり 多重人格であることから… 自分の中の99.7%が悪で、善良な0.3%は決して「ちがう世界」では、目覚める事はなかった。 しかし、時間の流れが遅い「この世界」では、0.3%が覚醒する? …したのか? ロイの心に変化が見られる様になった。 冷酷なサイコパスそして、多重人格… 「ちがう世界」では、民衆を騙し、人肉を食糧源として、国を支配してた…独裁者が… 今は、拒絶感に苛まれてる… 「この世界」でもう一度、「ちがう世界」のレオに遭遇した… レオは、絶対にロイを許さないであろう。 それは、研究仲間であった、レオの父テクを自分の私益と嫉妬から脳を取り出し植物人間にしたのだっだ!
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