33.

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33. あと少しで山下公園に到着する。 時間は23時45分を過ぎようとしていた… 「レオ、身体の具合はどうだ?」 「大丈夫だよ…でも」 レオは、「この世界」の時間の進み方に身体がついて行けず戸惑いがあったが、なんとか…復活していた? レオが「この世界」来た理由はロイへの復讐… しかし、レオはこのゲームに勝って、ロイを裁くと… 「レオ!お前の気持ちは、わかるが…」 「絶対…早まったまねをするなよ…わかったな!」 あれは、忘れられない悲劇であった… 「ちがう世界」に迷い込んだ俺が、ロイが統制を図っていたシンボルでの政権をなんとか…レオ、死んだリクと共に壊滅させた! しかし、一番の目的はレオ共にレオの父親であるテクの救出であった。 テクはロイの魔の手にかかり解剖されていたのだ… テクは「ちがう世界」でロイと共に国の為に食糧研究などをしていたが… しかし、ロイのダークな血が騒ぎ 「ちがう世界」を狂った世界に変えてしまった。 俺はテクを救出するために探した。 ロイによって脳と身体が分離されたテクが見付かり、俺はその姿をレオに見せる事が出来なかったがしかし… 「涼!でもねシンボルに火つけた、その後…」 「父さんを見る事が出来たんだ!」 「どうやってだ!レオ…どうやって?」 「それは…」 「涼!姿を見る事も話しも、父さんと出来たんだ!」 「どうやってだ!」 「テレパシーだよ!」 「涼に言われ、レオはシンボルを離れ、地上に降りたんだ…」 「おじいちゃんと母さんそれと、民衆がシンボルに火をに放ち…」 「その後なんだ…」 「レオ、レオって…」 「レオの頭、心に誰が呼びかけるんだ…」 「それの声を、よく聴くと…」 「あっ!て思ったんだ!」 「レオが父さんって訪ねると…」 「頭の中に、映像が描かれて…」 「穏やかな表情で父さんが映ったんだ!」 「でもね…」 「頭半分、耳から上が無いんだ」 「その横に、水のような物に浸かった…」 「脳のような…?」 「レオ、わかった…もう…」 そう、俺が「ちがう世界」で観た光景そのままだった… 俺は、絶句と共に嗚咽していた。 「涼、大丈夫!」 「ありがとう」 「涼、レオは、この時…」 「かなり辛く、悲しかったでも…」 「父さんと話しが出来たんだよ」 「そして、シンボルが焼け落ちるまで、父さんといろいろな話しが出来たんだ!」 俺は、涙と鼻水を出しながら…うん、うんと頷くだけだった。 「でもね、父さんが言ってた」 「ロイは、寂しいやつなんだ」 「出来れば、捕まえて改心させたい」 「だから、レオはロイを憎んでるけど、父さんの言う通り…」 「捕まえて「ちがう世界」で裁き、改心させたいんだ」 「レオ…お前って…」 俺は、絶対、レオの志しを完結させたいと感じた! 時間は、まもなく23時50分になろうとしていた。 氷川丸が観てきた。 「ロイ!大丈夫!」 「気持ちは、わかるけど…」 「もう…後戻りは出来ないわ!」 キョウコは、落ち着いた口調でロイに話しかけた。 キョウコは、「この世界」の人間で殺人には関与していない… しかし、ロイの情婦である事からこのゲームに参加し協力したのだ! 「キョウコ…」 「ありがとう!」 「お前に罪は無い…」 「だから…逃げろ!!」 「ロイらしく無い、言葉ね」 「ロイわかる?」 「少なくても、「ちがう世界」の貴方ロイをわたしは、愛したのよ!」 「そうだな!わかったぜ!」 ロイは、キョウコの言葉で以前のロイに…戻ったような? まもなく、0時になろうとしていた。 「ロイ!奴ら来てるかなぁ?」 ヨウが品の無い言葉をロイに、かけた。 「わからねぇよ?」 「思い切り行くぜ!」 「まあ、俺達はこんなゲームより…隠し玉があるからなぁ…」 「ガッハッハ…」 ロイは、完全に前のロイに戻ったのであろうか? 意味有りげな言葉を残していた…! 時間は23時58分となり、俺達は、山下公園に入った! 決戦の場所は、氷川丸が停泊している前の広場で行われる。 逆側から、ロイ達の姿も観えた! 会場は、闘うにはふさわしく無い、式典的な雰囲気があった。 総理と警視総監が出迎いていた。 「剛!このままで、やつら、このゲームに従うかなぁ?」 「わかりませんね…?」 「人質が居ますからね?」 「あ!そうだ!人質だあ!」 「涼!でも囚人は、ロイの強引なやり方について行けず…」 「自ら警察に戻る者も多くなっています」 「はっきりしましょう…」 「多分、人質がいる事から、ロイがおかしな条件を出して来ます?」 「それを…この短い時間を利用して考えるのです!」 「あと、今「のん」に聴いています…」 「始まる前の様に…」 「ロイの心を探って見て…」 「のん」から… 「以前よりロイは心が善良的になっているの?」 「のん」がロイの心を封じる為、黄泉の国からアドバイスを送っていた! ロイ達も、山下公園に入り氷川丸前の広場に到着していた! 時間は23時58分となり、決戦の条件をクリアした。 俺達も、少し遅れて氷川丸前の広場に到着した。 時間は、0時の数秒前だった! 「なんとかゴールできたな」 「そうだね、涼…」 「でも、これからだね…」 「そうですよ…これから」 はやる俺の気持ちを落ち着かせる様に、レオと剛は言葉をかけてくれた! 港を前に左側に…俺達! 中央には… 総理、警視総監その他 「この世界」の主要者が座り… 港を前に右側に…ロイ達となっていた! 0時を30秒ぐらい過ぎた頃… 総理からゲーム終了宣言の言葉があり不正がなかったことから… ゲーム成立を意味するものであった。 そして…いよいよ…両者アイテムカードの公表および武器発表のセレモニーに進む… 「剛、ありがとう事前にアイテムカードをチェックしてくれて!」 「どんな武器が当たるかです ね?」 「キョウコ、俺達に少しは…部がいいのか?」 「わからないわ…?」 「どんな武器が入るかで、隠し玉を使い分ける事にするよ…」 「ロイ!何?隠し玉って?」 「まあ、後のお楽しみだぜ!」 「クッ、クッ、クック…」 ロイは意味ありげに笑っていた。
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