37.

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37. 両者の武器説明が終わり、闘いのルールが発表されようとしていた… 「ルールの前にロイチーム、涼チーム何か質問があれば…」 進行役が質疑を両者に投げかけた… すると、ロイが斬鉄剣について、文句をつけて来た。 「俺達の武器に比べ…斬鉄剣はかなり殺傷能力があるじゃあないか…」 「これは、涼達が探し出したアイテムカードからの武器で不正のしょうがないのです!」 「ロイ達も武器を揃えてるところを不正が無いようにモニターをつけ確認してましたよね?」 「まあ、そうだけど…」 ロイは、少し荒々しさが薄れていた? 「キョウコ…」 「そろそろ、隠し玉でけりをつけるかな?」 「ロイ!大丈夫なの?」 「まあ、任しとけ!」 キョウコは、嫌な胸騒ぎを覚えた! そして…ロイが… 「もう…終わりにしようぜ!」 「こんな茶番劇は…」 ロイが隠し玉を語り出した… しかし、いつもの迫力が欠けていた? 「涼!やはり…出して来ましたね…?隠し玉が…」 「剛、ありがとう「のん」に御礼を言ってくれ!」 「本当、助かった!」 「涼!待って下さい」 「まだ、ロイは何も言って無いですよ…」 剛は、そう言いながらも、慌てる様子が全く無かった! 「まあ、涼、ロイの話しを聞きましょう」 「総理、警視総監、そして、涼、レオ、あとは剛、よく聞け!」 「今、0時20分…」 「俺は、インタコンチネンタルホテルにいる…殺人犯のリーダーである…」 「ヨシダに、サイコキネシスを使って0時30分に人質を皆殺しに するよう…」 「指示しているんだよなぁ…」 「冗談じゃあないぜ!」 「ロイ!約束が違うぞ!」 俺は、芝居がかった言葉をロイに投げかけた! ロイは、隠し玉…即ち人質の殺害内容を話して出した! 「こんなゲームはじめから…俺が認めるわけがないだろう?」 「なぜ…?俺がこのゲームを了解したのか?」 「未だに、理解出来ていない?」 「俺!自身が…」 「俺達にしてみれば、全く意味のないゲームだ!」 「ロイ!お前は何処にいても…卑怯極まり無いやつだなぁ!」 「まあ、ほざけ涼!…」 「勝てばいいんだ!」 「…勝てばな!」 「わかったか!ハッハッハッ…」 「殺人犯が、人質を殺し…それを繰り返す!」 「俺の力で、「この世界」を血みどろの世界に…」 「だから…総理…」 「取り引きしようぜ!」 「人質を解放する、条件は…」 「俺様!ロイが、「この世界」支配する…」 「そして、総理…」 「お前を使ってやるよ…」 「ハッハッ…ハ」 「さあ!どうする…」 「総理!!!」 「ロイ!答えは…」 「NOだ!」 すると会場が静まりロイの表情が少し間抜けにみえた? 「ロイ!答えはNOだよ!」 「なに!!」 「いいんだな…!」 「あと、5分ないぞ…」 「ロイ!本当にお前はおめでたいやつだなあ!」 「総理に代わって俺が答えてやるよ!」 「お前!殺人犯のヨシダを筆頭に…殺人犯の全てがサイコパスじゃ無く…」 「また、サイコパスでも…」 「人を殺しても自分は助かりたいんだよ!」 「お前の今迄の強引なやり方で…」 「それに…殺人犯…」 「お前を信じられなく…なったんだよ!」 「しかし、どうしてヨシダと折衝が出来たんだ!…」 「やつの心を理解したんだよ!」 「まあ、こっちにも善良な「隠し玉」があったんでね?」 「ロイ、お前には言えないが…」 「もう、ヨシダは自分から刑務所に戻ると言って…後のやっらも大半が…」 「刑務所に戻ることを希望しているよ…」 「涼!しかし、勝手にインタコンチネンタルホテルに警察関係者は入れない…」 「ロイ!だから言っただろ…自分で望んでヨシダは、刑務所に行くんだよ!」 「自分の意志があれば、俺達との交信出来るんだよ…」 「その仕組みを作ったのさ…」 「ロイ!殺人犯はお前からのマインドコントロールが解けたんだよ!」 「これも、善良な俺達の「隠し玉」によるものだからな!」 ロイは、唖然となり言葉を失っていた… ロイは「この世界」において、僅か0.3%の良心があったことからか… 非情になりきれずに… ヨシダの心の悪と恐怖を強靭なものに出来ず、ロイからのマインドコントロールが…外れたのだ! そして、他の殺人犯達も同じであった! 迷いが生じたヨシダは怖れだけが心を支配するようになっていた! そうしてるうちに、ロイからのサイコキネシスの交信が途絶え…死の怖れが心だけに留まらず身体にも現れて来た… それは幻覚と吐き気に襲われ…救いを求めていた… そんな、状況を黄泉の国から観ていた「のん」が剛に伝え… 「剛!殺人犯のヨシダと他の人も…救いを求めているわ!」 「だから、ヨシダと交信して、心のケアをしてあげるわ…」 「ロイの指示、人質殺しに従わない…」 「穏やかな気持ちを心にね!」 「他の人も、リーダーのヨシダについて行くと思うわ!」 「あとね!人質は、ロイからのマインドコントロールが解けないの?」 人質をすぐ開放することを考えて来たのだが… 「それはね…」 「人質にされた人達は、ロイの残虐な行為に…」 「心が支配され、ロイからキーワードの言葉が無いと、そこから…動く事が出来ないの…」 「どうしたらいいの?」 「…「のん」…?」 「うん!今、ロイの0.3%の良心に交信してるの…でもまだ…」 「人質の人達は、ロイの指示で殺される事はなくなったんだけど…」 「わたしね、出来れば闘いは避けようと思ったの…」 「…でも…」 「ロイから、人質の人達のマインドコントロールを解くためには…」 「ロイ達が、唯一生きて行く道…」 「闘う事だと…」 「ロイの良心がわたしに、語り掛けるの…」 「だから…」 「人質のマインドコントロールが解けないの」 「わたしの居る、黄泉の国は、平和で全てが平等なの…」 「地上に降りた人達は、何かを経験したくって、降りて暮らして、いつかまた、黄泉へ戻るの…」 「でも…」 「…「ちがう世界」から来たロイの行動…の」 「今迄が異常過ぎて…」 「はじめは、わからなかったの?」 「でも、「この世界」のキョウコにあって…」 「ロイは変わっていったの…」 黄泉の国の「のん」はキョウコの存在感を理解していた。
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