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44. 「剛、よく聴いて…」 「わたしが、黄泉の国から下界して…人質のその子のケアをするわ!」 「でも、「のん」…君は…黄泉の国からどうやって…」 「身体は冷凍保存されているが…魂は、黄泉の国にあるんだよ…」 「剛…1つだけ下界出来る方法があるの…」 死後、肉体の冷凍保存は、2047年に… 「肉体冷凍保存保護法」で法令が適用された。 法令が適用された背景として… 死後も、優秀な頭脳、肉体を持った人間の遺伝子を確保したい「この国」の方針から… 死後も、遺伝子だけを維持出来る特殊溶剤「フッカイ∞」を開発した。 これは、死者の口から「フッカイ∞」を流し込み、臓器に染み渡らせ… サイバースコープを覗き見ながら、内臓各部位を電子触手にて遺伝子を採取させる… 「のん」は、特に優秀な頭脳も肉も備えていなかったが…? 冷凍保存された理由は、「のん」は自動車に跳ねられ即死だった。 死亡の原因は、多臓器不全だった。 しかし、臓器が身体の外に出る事もなく、体内に留まり…外傷も全くなかったのだ! 「のん」の身体は、最新鋭の技術を駆使した装置を使い調査した結果… 臓器は、動いていないが、生きている状態と同じと判断された。 この様な事は、異例なことから皮膚の腐敗を防ぐために冷凍保存さたのであった。 魂は、黄泉の国にいる「のん」は天空から、自分の肉体が下界にある事を知っていた。 剛も、警察官である事から、「のん」の肉体が冷凍保存されている事はわかっていたのだが… 「この世界」国家の秘密事項であっ事から、詳しくはわかっていなかった。 この後、「のん」から剛へ辛く、悲しい話しが始まろうとしていた。 「剛、わたしを復活させて欲しいの…」 「のん」と黄泉の国から交信していた。 「総理にお願いして…」 「でも、「のん」どうやってだい?」 「遺伝子を採り出すことは出来るって聴いて入るんだけど…」 「…「のん」何をどうすればいいんだ!」 「…「のん」が復活して…会える様になれるの?」 「…「のん」ね、下界に降りていい許可が、黄泉の国から降りたの…」 「でもね、残念な事にリスクもあるの…」 「それは、下界に降りて復活出来るのは、一日だけでその子をケアして、心を解放したら…」 「二つの選択があるの?」 「選択は…」 「1つは、また、黄泉の国に戻るの…」 「もう1つは、このまま下界で暮らすの…」 「え、「のん」それじゃあ…もう1つを選べば、1緒に居ることが出来るんだね?」 「うん…そうだけど…条件があるの…」 「もう1つにすると…その子のケアが完了してから…」 「わたしの今迄の記憶…」 「剛との今迄の記憶が…」 「全て、クリア…されるの…剛の存在がわたしの頭の中から…」 「消える…の」 「…そうなんだ…」 その後、剛は黙り込み答えを出す事が出来なかった。 「のん」の復活は、黄泉の国にいる、神様が健気げな姫である「のん」の振る舞いを切実に感じ… 苦しんでる人を助けたい想いが神様に伝わったのだ! そして、神様が下界に降りる有余をくれたのだ。 「のん」が下界に戻れる事は、奇跡でしかなかった。 それは… 「のん」の身体は、交通事故で全身を叩きつけられ…多臓器不全となったが… 臓器に損傷がなく、全身を叩きつけられたショックで心臓が停止して死亡したのであったからだ… 心臓が停止しただけで、 その他臓器に問題がなかったことが、異例であり、「のん」は冷凍保存されたのだった。 各臓器の遺伝子を採り出すのと同様に、機能しなくなった心臓、その他臓器に特殊溶剤「フッカイ∞」を塗布する事で、「のん」は下界での生活が出来るのであった。 「剛、総理に「フッカイ∞」の使用を認めてもらい、わたしが復活して…」 「人質…その子のケアを許可をもらいたいの…」 2つに1つの難しい選択を「のん」に言われ、口を閉ざしてた剛が… 「…「のん」総理から今…許可が降りたよ」 剛は…まだ、決断出来ないでいた。 「この世界」に…愛する「のん」がいる… しかし…俺は「のん」の記憶が無い。 勿論、「のん」も俺の記憶がなくなる… 俺の記憶は「のん」にあるが、魂だけで、内容に限定されるが、テリパシーで交信出来る… 「のん」の肉体は無い…彼女に触れる事も…愛し合う事も…出来ない… 黄泉の国の神様いわく… この選択は「のん」本人の選択権が無く…愛する人…剛にしか…無かった。 俺は、レオを見守っていた。 レオは、眠り続けて眼を覚ます気配がない。 剛が俺とレオが居る部屋にやって来た。 「涼、ここの部屋だったんですね」 「剛、按配はどうだ?」 「それが、父親を惨殺された女の子のケアが私では… 「無理だ…と言う事が分かりました」 「父親を惨殺された、残像が心の奥まで…」 「浸透され過ぎているんです」 「剛…対応は…?」 「…「のん」が直接ケアしないと…」 「その子の心は、解放されないんです!」 「それで、涼に報告のため、ここに来たんです。」 「そうか…でもどうやって「のん」を黄泉の国から…」 「何とか、黄泉の国から下界「この世界」にこれる様になりました」 「そして、今話題の死者から遺伝子を採り出せる「フッカイ∞」を利用して…」 「対応する事がわかり…総理の許可をもらいました」 「そうだったたのか、剛!」 剛は、一番肝心な「のん」が下界した…あとの条件を涼に話せなかった。 それは、その話を涼にすると… 涼も…黄泉の国に行く事になるからである。 そして、「のん」が下界に残る様になれば… 涼、レオから今迄の「のん」の記憶が全て無くなるのであった。 幸いな事は、剛の記憶は涼、レオに残る事となっていた。 剛は、悩んでいた、「のん」の事なのに…なぜ俺が…? 「のん」は剛が決めた事に対して… 選択した事が、黄泉の国に戻る場合は、問題無いのだが… 「のん」が下界に降りる時は、その子が心のケア…終了次第に… 剛も「のん」も記憶が変わり… 「のん」がその子のケアしている時は… 剛は、「のん」より5キロ以上離れていないと… 人質の心のケアは、絶対上手く行かない…事になっていた? 剛は、悩んだ結果…「のん」を下界にさせる事に決めた。 この事は、「のん」自身はわからず、剛の記憶が無くなり普通に生活が始まるのであった。 剛は、「のん」を下界させる事にを決めたのは…「のん」の存在が剛にはかけがえの無いものだからだ… 「のん」彼女に触れたい。 「のん」と愛し合いたい… 剛は、何年待っても…奇跡が起こる事を心に秘めていた! 「のん」が復活するのは、24時からとなっていた。 今は、20時を過ぎようとしていた… 剛が「のん」と居られるのは… ホテルのロビーから、人質のその子が居る部屋までだった。 その後、剛は「のん」より5キロほど離れた…集合場所に居なくては、ならなかった? 一方…「のん」の冷凍になった遺体は、総理の紹介で…冷凍遺体復活チームが発足し、「のん」の身体を復活させようとしていた。 始めに、「のん」の身体の各臓器を「フッカイ∞」で「のん」を現代バージョンにして復活させる。 その後…「のん」の魂は… 各臓器が復活してから黄泉の国から下界し魂が「のん」の身体に入りこませるのであった… そして… 24時を迎え…「のん」が遠くから、剛のいるホテルのロビーに向かって歩いて来ている… 「のん」が復活し…蘇った! 剛は、「のん」のその姿を目に焼き付けたかった… それは… 奇跡を信じて…
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