47.

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47. やはり、それは起きてしまった… "おかしな事をする"国から迷惑なミサイルと言う…贈り物が届いた! 堕ちた場所は、のんが務めている病院から5キロほど離れた観光地で有名な埼玉川越… 「時の鐘」の近くにミサイルが堕ち…大爆破したのであった! ミサイルは、赤レンガ倉庫に堕ちた物より小型でありミサイルが堕ちた事実を報道で流していたが…なぜ…埼玉川越なのか? 今の段階では良く分からなかった。 幸い、のんが務めている病院は、ミサイル爆破音の波動から窓ガラスが割れたぐらいで収まっていた。 この事から、俺と剛は、埼玉川越に急降する事になった。 「剛!起きちまったなぁ…ありがたく無いことが…」 「本当ですね!」 「今、携帯に警視総監から連絡が入り、国民への緊急放送があり…」 「携帯テレビで観て欲しい…との事です」 俺と剛は、川越まで移動する車の中で携帯テレビを観ていた。 「剛!総理の声明があるぞ!」 総理の声明が終わり…剛から 「国民には、表向きで冷静に判断すると言っていましたが、相当の怒りです」 「警視総監が話された事は…」 「この事実を受け「この世界」として、総理は闘うことを決意し…頼りにしている…」 「 "おかしな事を主張"する国の代表に協力を依頼したと…」 「そうなのか最終的に戦争なのか?」 「剛…」 「まだ…分かりませんが…」 「おそらく…」 俺と剛が川越に着いたのが、20時を過ぎていた。 あたりは、真っ暗でミサイルが堕ちたところだけ、サーチライトが当たっていた。 しかし、ミサイルが堕ちた約1キロ範囲は、建物が崩壊し原形をとどめていなかった。 周りは、自衛隊の車両がゲガ人を忙しなく搬送していた。 そして俺達は、はじめに被害状況を埼玉警察に聴いて回った。 「本庁の河合 剛といいます」 「補佐の久我山 涼です」 「埼玉警察、ミサイル墜落現場 責任者の田辺です」 「早速、ですが被害状況を教えて下さい!」 「死者は、約2,000名以上…建物崩壊は、410世帯となっています……」 「剛、やはり凄い被害状況だなぁ」 「負傷者は、3,000名を超えています」 「田辺さん、負傷者…受け入れ病院は、確保出来ていますか?」 「さいたま市、熊谷市、浦和市などに受け入れ依頼をして、対応しています!」 「輸送は、自衛隊車両など受け入れてくれる市から、輸送車両を出してもらっています!」 俺と剛は、総理、警視総監に現場の状況の詳細報告後、これからの総理の声明を待っていた。 「総理は、着々と闘う準備をしてるようだが…」 「剛、このままで…戦争となって…国民は…?」 「 "おかしな事を主張"する国の代表に協力を依頼したと総理がいっていますが…」 俺は、先がまったく読めず不安で有り…嫌な予感が頭の中を渦巻いていた。 総理が国民に発した言葉は、悔みと、これからの決意だった。 そして、「この世界」のリーダーを自負する… "おかしな事を主張"する国の代表に協力を依頼し承諾をもらったとの話もしていた。 川越は、全てでは無いが、地獄絵となっているのだろう? 俺は、世が開けて欲しくなかった。 今、22時を過ぎようとしていたが… 発電所からの電気が寸断され、自衛隊により灯油を利用した、発電機であかりを確保していたのだが… 12月の終わりという事もあり、寒さが身にしみ、暖をとるヒーターが必要だと感じた。 俺と剛は、警視総監の指示に従い行動していた。 現場の視察を続ける上で、負傷者の状況確認として…各病院の負傷者対応状況を見て回るよう指示されていたのであった。 「剛、発電機も不足しているし、この暗闇の中…」 「何人かが寒さにより、凍死しているかもしれないぜ…」 俺は、考えたく無かった。 「涼、考えたくないのですが…」 「ミサイルが堕ちた場所…1キロ範囲は…」 「多分、負傷者は居ません…」 「…」 「全員…亡くなっています…」 「私達が、病院に行く途中、確認するのは、ミサイルが堕ちた1キロ範囲以上の確認が必要なんです!」 「各市の警察、消防、役所で、対応してると思いますが…」 「わかった、剛…先ずは病院の負傷者対応を見て回ろう」 一方、のんは負傷者の病院受け入れ対応に追われていた。 そして… 剛とのんの奇跡的再会がのんは、負傷者の病院への受け入れをしていた… のんは、特に外傷が重度な負傷者を重点的に外科医と共に対応していた。 しかし、外傷が重度の負傷者への輸血が間に合わない状況だった! 「のりかくん(のん)輸血の状況はどうなっているか、わかるか?」 「先生!まだはっきりしていません!」 「どうするかな?」 外科医も少々諦め気味だった。 すると、のんが身体に染み付いている…過去が朧に、脳裏に蘇った… それは… スピリチュアルで出血を抑える事だった! のんは、過去、どこか遠くの空の上から災害を観ていた時、手に神経を集中させ…スピリチュアルなパワーを引き出せるように訓練を積んでいた! 遠くの空は、黄泉の国であった事をのんは覚えていなかった。 のんは、この朧なスピリチュアルなパワーを試してみる事にした。 心を集中させ…両手を開き、手のひら…手首を合わせ… そう、ドラゴンボールでの…かめはめ波のポーズをとり… そこに気を集め…スピリチュアルなパワーを送り込むのであった。 一回目で、血液の流出が穏やかになり… 二回で、出血が止まり… 三回行う事で、出血していた傷口が、蘇生して…外科医が縫製を行う。 すべて対応出来ないが… 今迄、輸血をしていた負傷者であっても、スピリチュアルなパワーを使い…輸血を、しなくて済むようになり…負傷者の命を守られるようになっていた。 俺と剛は、埼玉警察、ミサイル墜落現場 責任者の田辺に車を用意してもらい、川越市の近くにある負傷者を収容出来る病院に向かった。 「涼!この病院がミサイル墜落現場から一番近い…」 「被害が無かった病院ですよ!」 「剛、わかったよ」 「この病院は、約700人収容できているのだが…」 「有に100人は超え…800人はぐらいがこの病院に、収容されている事になる」 「やはり、負傷者は外傷した人が多いようだなぁ」 「そうですね…軽度の負傷者は、廊下で対応してもらっていますね」 俺と剛は、入院している負傷者の対応はどうなのか? 病院の責任者 に確認をとり…病院内の衛生状況は適切か? 負傷者の心の状況は…心の状況で、ミサイルが堕ち…そこで、惨劇を目撃してしまった… 人の…心理状況を確認することを今回の任務としていた。 「剛!あそこに看護師さんがいるよ!」 「心のケア状態を確認して見ような?」 「そうですね…」 「私は、本部警視庁から来た…河合 剛です」 「補佐の久我山 涼です」 「お名前…ありがとうございます」 「この病院で…看護師をしている…のりか(のん)です」 「のりかさん…負傷者の方の心はいかがですか?」 「今のところは大丈夫ですが…」 「明るくなってから…がわかりません?」 「あの…剛さん…いちど…どっかで?」 のんは、小さな声で囁やくように、剛に言葉をかけたが…二人の記憶を目覚めさせ、奇跡が起こるのか? 俺もまだわかっていなかった。 この看護師さんに、負傷者の心のケア状態を聴いていると…警視総監から剛に情報が入った… それは、総理と"おかしな事を主張する国"代表からの話しの内容であった? 極秘でお願いしていた… "おかしな事をする国"との闘いに協力の合意条件の提示らしい? それは、やはり勝手な有り得ない条件だった。 ひとつは、多くの人材協力を行うことから…多額な人材費の要求。 "おかしな事を主張する国"への多額な関税…などなど…有り得ない条件であった。 「考えている時間はないんですが…」 「あまりにも…無茶苦茶で…」 「剛!それは…ひどい話だなぁ」 そんな中、看護師さんに聴き取りをしていた俺達はこの看護師さんに人知れない親近感があった。 それは、俺達を見る目… 特に剛を見る目に…我々もこの看護師さんも逢うのが初めてなのにかって感じが…して… ここの病院での電気は、まだミサイル爆破の影響で発電所からの電力が寸断され…館内の非常電源を利用し…今のところ間に合わせていた。 そんなことから、照明が切れかかっる蛍光灯の様に、点滅を繰り返している。 それの影響があるかの様にサブミナル効果を引き起こし…看護師(のん)そして、剛に不思議なイメージが、脳裏に絵描き出されていた! そして… 剛もその看護師が過去… しかし、剛はそれを思いだそうとすると…頭に激痛が走りわからない何かがその看護師の事を遮っていた。 しかし、その看護師は照明が蛍光灯のように点滅することから、サブミナル効果があったのか? 潜在意識が蘇り、徐々に一年前の事が…断片的に頭の中にフラッシュバックされていた! その看護師…「のん」は、一年前…残虐な映像を観たことから心が閉鎖されマインドコントロールされていた…それを…打破し… マインドコントロールから解放し、心に残っていた残虐な映像を解除する事が出来たことを… しかし、「のん」が分からなかったのは…何故…そんな事をしたのか? なんの意味があって、マインドコントロールをその子から解放させたのか? …理解出来ないでいた! 「剛さん…あなたは…」 不思議に、「のん」は、剛に話しかける事に違和感を感じていなかった。 しかし… 剛は、「のん」からの話しかけに応じることが出来ず激痛に頭を抱えていた。 「剛!どうした…」 「涼!割れるように頭が痛いんです!」 看護師である…「のん」は、まだ全て思い出せないが、剛の事を気にかけていた… 剛は、まだ激しい頭痛から解放さず…「のん」は、剛のおでこに、手を翳し皮膚に触れた瞬間から… 剛は、熱と共に激しい頭痛が吸い寄せられるように消え去っていった。 それは、看護師…「のん」が痛みを全て吸い込んでいったからである。 剛は、痛みが取れ少し、ぐったりとしていたがサブミナル効果が薄く、潜在意識がまだ…蘇らず… 目の前にいる…勝手の恋人、看護師「のん」の認識は無かった? 看護師のんは… 「この…剛さん…わたし…きっと…」 「のん」は、黄泉の世界や「この世界」を経験してきた事が「のん」の、剛への思いを…黄泉の国の神様…「この世界」の守護神が清い心の、「のん」に敬意を表して「のん」は、剛を…? そんな中… 有ってはならない事が起きようとしていた! それは、第三の…何か、とてつもない大きな物体が頭上を通り越して行くのがわかった。 今迄、引っかかっていた何故…ミサイルが川越なのか? 何故、川越を狙ったのか? "おかしな事をする国"は東京を破壊する前に予備として小型ミサイルを試して結果そこが…東京近辺の埼玉川越であった…と警視総監から連絡を受けていた。 横浜赤レンガ倉庫に撃ち込んだミサイルは、不発であったが…調査後、このミサイルは、はじめから爆破の恐れがないものとわかり… "おかしな事をする国"がデモとして攻撃して来たものだった! 横浜赤レンガ倉庫を狙った根拠はわかっていなかった? 数秒の間に今迄、"おかしな事をする国"からの届け物ミサイルの事が頭によぎっていた時…眩ゆい光りが俺達に降り注いだ! その僅か時間…俺、剛、のん…の1年前の記憶が蘇った… 瞬間… 「この世界」…俺の国が真っ暗になっていた? どうやら、俺が観たとてつもない大きな物体は、俺達の頭上を通り越して…東京を直下したようだ! そして… 俺は気付くと…俺、剛、のんが佇んでいた。 そこは…あり得ない場所だった…?
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