怒りと崩壊

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怒りと崩壊

それからしばらくした日 少女はあっさり私の前から消えてしまった 城のどこにも姿はないし どこからも声が聞こえない 理由はあまりにも簡単だった 少女は死んだのだ ただ死んだならまだよかったのかもしれない けれどそうではない 少女は殺された それを知ったとき 殺すなら最初から殺せばいい そう思った私は非道だろうか 殺し方も毒殺という苦しむやり方だったのだ いつもの食事の中に毒を入れられ 少女はいつものように 毒の入ったそれを口にしてしまった 人間はとてもあっけない そんなことはわかっていたのに 少女がいない それが今の私の中にあふれて 気が狂いそうだった 少女が殺された理由なんてものは 私にきっと理解できるものではない だから もうどうでもいい 少女は最期に何を思ったのか 最期くらいこの城の者を憎んだだろうか それはもうわからないけれど どうか自分を嫌いにならないでほしい 何も悪くないのだから 私は悲しみと後悔の中で 少女を思い感謝をした 少女との思い出があれば これからの長い未来も少しは退屈しないと思ったから けれど 城の人間の話し声から聞こえてしまった言葉に 私の中の怒りの全てが反応した 動かなくなった少女を この城の人間は森に粗末にも捨てたと言ったのだ 死んでも少女の扱いは変わらなかった 私の中で何かが壊れた音がした
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