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犠牲と幸福
『守り神が離れたとき災難や不運が城を襲う』
私はおとぎ話を本当にしようと思った
どんな災難や不運が起きてもあの子の痛みや苦しみには届かない
それなら 彼らの命が続く限り苦しめばいい
そして 死んでもそれ以上の苦しみの中で過ごせばいい
後悔すればいい
誰かを犠牲にして幸福を手に入れようとしたことを
どんなに悔やんでもあの子の笑顔はもう無いのだから
空を眺めるしかなかった私に退屈ではない時間をくれた
ひとりだった私に 誰かと一緒に過ごすということを教えてくれた
いつの間にか私の日常になっていたんだ
災難や不運を招くと言われた紅い瞳が
私にはどんなものより輝いて見えた
美しい紅い瞳に私が映るとなんだか嬉しかったんだ
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