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第10.5話 花子さんの配信 おまけ
とまあ、配信は無事に終わったわけだけど。
実はこれには、後日談がある。
私は花子さんの指示で、柳田のもとにPCを持ってきた。
『そのホラーゲームのソースコード、ちょっと見ていただけませんか?』
「なんだ? ゲームを改造でもしたのか?」
柳田の言葉に、花子さんが首を振る。
『言っておきますが、私は何も触っていません。それを踏まえて、どうぞ』
「……? …………………………!?」
黒い画面をスクロールしていた柳田が、目を見開く。
そして私も絶句した。
私はプログラミングなど全くわからない。PythonだかJavaScriptだかC言語だか言われても、英語で書かれたソースコード? などまったくわからん。
しかし、英語で書かれたものの後ろ、#の後に書かれていたものは読めた。日本語だったからだ。
そこには、延々とこう書かれていた。
#どうして? どうして連絡してくれないの?
#あれだけ連絡してくれてのに、なんで無視するの? もう私いらない?
#私の事思い出してよ、ねえ。
#その女だれ? 浮気してるの?
#私死んじゃったよ、あなたのせいで。あなたのせいだね。なのにあなたは楽しそうだね。
#私の事いらないって言ったあなたのせいだね。
#アハハハハハハハハ!!!!
バタン!!!
柳田が顔を真っ青にして閉じる。
「………………いや、知らん」
『ですよね』
「いや……何このコメント? ソースコードに書いたおぼえなんてないんだが??? そもそもコメントは書かないが???」
『コメントちゃんと書いた方がいいですよ、他の人が困るから。……いよいよプログラミングにも怪談が浸透してきましたか……』
おかしいと思ったんです、メリーさんがあそこまで怖がるなんて。花子さんはそう言った。
まあ良くわからないけど…………ヤバいことだけわかった。
そのフリーホラーゲームは、永遠にデリートされましたとさ。
ちなみに、花子さんは無事デビューできた。
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