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「いやー!!!」
「ちょ、ちょっと月乃……」
さっきから月乃が叫びながらオレの腕にしがみついてくる。
「月乃、怖がりすぎだって……」
「だ、だってえ……」
怖がる月乃を見ると、かわいいとは思うんだけど、ずっとこの状態は何か恥ずかしい。というか、月乃ってこんな怖がりだったっけ?
「月乃が入ろうって言ったんだろ」
「だって、夏人があついあついばっか言うんだもん。ここなら涼しくなるかなあ、って思って……。きゃあ!!」
月乃がまたしがみついてくる。いや、涼しくなるどころか、これだとかえってあつくなるんだけど。
「なつひとぉ……」
「……!」
弱々しくオレの名前を呼ぶ月乃。
去年の夏休み、月乃が家に遊びにきた時のこと思い出した。あの日は雷が酷くて、鳴ってる間ずーっとオレの腕にしがみついて、キスをねだってきたっけ。すげー恥ずかしかったけど、キスしてやったら月乃安心してたな……。
今も同じことやったら落ち着くかな。月乃のやつ、怖がってるみたいだし……。
こういう場所でやるのはどうかと思うが、この際仕方ない。
「月乃……」
オレは月乃の顔に自分の顔を近づけようとした。が。
「うぎゃあああ!!!!!」
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