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妖魔の章 三話
「げほげほっ! うっわ、埃くさー。 どんだけ放置されてんのよ、この小屋。 ちゃんと管理しなさいよねー」
やはりというか、なんというか。
想像していた通り、レヴナントの仕組みを未だ理解していないラミィの言動に明日汰は肩をすくませ、小屋の中を物色し始めた。
明日汰がまず手をつけたのは棚。
細かい物を入れておく、戸棚だった。
「アスタさん、一体何をお探しなんですか?」
「ん? ああ、紙だよ。 ただの紙切れだ」
「紙切れ? 何に使うんです?」
「それは後のお楽しみ…………おっ、あったあった」
戸棚の奥から現れたのは、大量の羊皮紙。
ざっと30枚はある。
が、どうやらこれだけでは足らないらしい。
「ごめん、セシル。 悪いんだけどこんな感じの紙を探してくれないか? 出来ればあと200枚は欲しい」
「200!? わ、わかりました! 探してみます!」
そんな数の紙なんてこんな小屋にある筈ない、と思ったセシルだったが、探すだけ探してみようとベッドの下やタンスを覗き込んでみる。
「アスター。 私は何したら良い? 暇なんだけど」
「そうだな。 じゃあ、木の板や丸太を探してきてくれ。 小屋の裏手にあるかもしれない」
「へいへーい。 んじゃ行ってきまーす」
そんなやる気もへったくれもない返事をしたラミィが、子供のようにバタバタと外へ出ていって暫く経った頃。
「ふぅ、これでなんとか80枚は確保したでしょうか」
「お疲れ、セシル。 こっちもなんとか追加で100枚は見つかった」
奮闘の甲斐あって、羊皮紙や和紙、プリント紙が食卓を埋めるほどこんもりと積まれ。
「アスタ。 裏にあった納屋から出せるだけ木の板とか出しといたわよ」
更には工作に丁度良い大きさや形の木片がみつかったのであった。
一通り必要な物を確保した明日汰は、二人を引き連れ、裏手に。
そして、木の板や木片、大量の紙を地面に置くと……。
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