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「んなもんどうすんのよ。 どうやったってこんなガラクタじゃ空なんか飛べないと思うけど」
「まあ見てろって」
明日汰はそう言うと、妖力を紙や木片に纏わせ、集中。
それが全ての素材に行き渡ったのを、感覚で捉えた瞬間。
「ふん!」
師であり前オーナーである真壁信慈より受け継いだ術。
式神錬成を用い、先ほどまで紙だったそれを式神と呼ばれる簡素な命令ならこなせる動く紙切れにし、次々と繋げていく。
「「おお…………」 」
そうして繋がった式神は一つの形を取る。
その形とは鷲。
木の板や木片を土台とした、大鷲へと姿を変えたのである。
「なにこれ、すご……。 うちの魔王でもこんな事出来ないわよ……」
「同感です……」
「ははは、その反応懐かしいな。 最初は俺もそうやって驚いたっけ。 なあ、翼模」
翼模と呼ばれた紙で作られた存在は、主の声に呼応し、頬擦りをする。
まるで本物の鳥のようだ。
「ほ……本当に凄いですね。 こんな物を作れるだなんて……」
「何者なのよ、あんた。 本当にただの古本屋のオーナーなわけ?」
「まっ、色々あるんだよこっちも。 ソーマやユキトと一緒でな」
「な、なるほど……」
二人はその一言で納得したのか、それ以上言葉を紡げなかった。
そんな二人に苦笑した明日汰は、颯爽と翼模に乗り、そして翼模の背をポンポン叩きながらこう言った。
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