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--ミウ……ミウ!
誰かが呼んでる。懐かしい声。
でもすごく心配そう。
早く目を覚まして、元気づけてあげなくちゃ。
重い瞼を必死で開ける。
目の前に海斗の顔があった。
あれ?この距離感は人間の時にはあり得ないけど……?
そう思って自分の手を見ると、猫の手。
声を出して見たら、「ニャーン」と言った。
そうか。
あたしは猫のミウに戻ったんだ。
やっとのことで状況を把握した。
「ミウ、心配したじゃないか。こんなとこで眠り込んだらダメだろ」
海斗があたしを目の高さまで持ち上げて、叱るように覗き込む。
ごめんなさい、と言ったつもりだったけど、「ニャーン」としか聞こえない。
それでも海斗には伝わったようで、少し笑って言ってくれた。
「帰ろう」
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