ファッキンジャップ

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 ウランが核分裂すると、核分裂生成物またの名を死の灰を大量に排出する。およそ200種類に及ぶ放射性物質の集合体だ。中でも一番害のあるセシウム137のベクレル比は福島第一原発事故の場合、広島原爆の168倍に相当するが、大気中に噴き出された放射能の約8割は偏西風により太平洋に流され、残りの約2割は東北関東地方の広域に亘って降り注いだ。その当日は雨や雪が降ったから放射能が洗い落とされ、殊に福島第一原発から北西の地域に高濃度の放射能汚染が広がった。それを含め福島県の東半分を中心にして栃木県、群馬県の北半分、宮城県、茨城県の南部北部、千葉県の北部、岩手県、新潟県、埼玉県それに東京の一部地域など合わせて約1万4千k㎡の大地が放射線管理区域(4万㏃/㎡を超える区域)に指定されて然るべき惨状となった。が、原子力緊急事態宣言を緊急事態条項を発動するように発令した政府は、勝手な特別措置法を設けて60万㏃/㎡以上の汚染地の住民約15万人を強制避難させるに留まり、60万㏃/㎡以下の汚染地の人々を見捨てる形で留まらせてしまった。  当然、数多の人が被曝して死者も多数出た。政府や東電は死者は出ていないとしているが、とんでもない大嘘でその証拠に当時の地方新聞には福島の双葉病院だけでも患者436人中50人死亡と記載されている。で、大気を汚染した主成分であるセシウム137は放射能が30年経っても半分にしか減らないので事故から12年経った今でも原子力緊急事態宣言は解除されないままだし、放射線管理区域で被曝しながら暮らす人や避難したまま家に帰れない人も多くいる。  被曝地で暮らす人々は一年間に一ミリシーベルト以上の被曝をさせてはいけないという一般公衆に対する法律は適用されず、ICRPが提唱する線量限度の5ミリシーベルトを遥かに超える20ミリシーベルトまで良しとされ、放射線業務者と違って被曝手帳も検査キットも与えられず、どれだけ被曝したかを知ることもできず、定期的な健康診断も受けられず、どんな病気になっても因果関係は否定され、何の保証もされず、労災も認められない。  また本来、放射線管理区域として外界と遮断されなければならない原子炉建屋内に地下水や雨水が流れ込み、新たな汚染水を生成し続けている。おまけに事故でメルトダウンした時に原子炉格納容器に出来た穴やひび割れが地震の揺れで広がったり核燃料デブリの高熱で格納容器の壁が溶けたりして大きくなる傾向にあり、メルトスルーして格納容器内の水位が下がるので注水量を増やして冷却している有様だ。だから周辺の土壌や海域に大量の放射性物質をまき散らし、格納容器が満杯にならないようにポンプで吸い上げた汚染水が増える一方なのだ。而も穴やひび割れは人間では原子炉に近づくことすら出来ず確認することも修理することもできないからロボットに任すもののロボットに装備したカメラが放射線の線量が高すぎて壊れるので確認出来ないし(今年高性能カメラでやっと確認)、核燃料デブリをほんのちょっと削り取る程度の能力しかないので修理することも出来ないのだ。楺てて加えて経産省の資源エネルギー庁が作成した図面によると、汚染水からセシウム、ストロンチウムを除去し、さらにはトリチウム以外を除去し、タンクに貯蔵とあるが、これもとんでもない大嘘で規制基準の濃度をクリアしたのは約3割だけで処理水と呼ばれる水の7割以上は放射能汚染水なのだ。だから7割以上が再浄化が必要であって規制基準をクリアした約3割の処理水にしてもトリチウムが入っているから汚染水に違いなく従って100パーセント汚染水なのだ。よく日本の処理水は中国や韓国のそれに比べてトリチウム量が少ないから海に流しても全く問題はないと言う者がいるが、中国や韓国の処理水と違ってメルトダウンして核燃料デブリに直接触れた、トリチウム以外の放射性物質を何種類も含有する汚染水だから絶対海に流したらいけないのだ。  然るに野村農林水産大臣が処理水と言うべきところを汚染水と言い間違えたとして岸田首相にテレビカメラの前で謝罪させられ、而も記者に謝罪のコメントを下を向いて原稿を読みながらされているように見えて仕方がないのですがと突っ込まれ、私は時々やっぱり口が滑ってしまう恐れがあるので間違えないように読ませていただいた、気持ちは大変反省していると間抜けな質問に対し間抜けに答えていた。  全くしょうもない奴ばかりだが、国民の多くがIAEAが了承しているという理由でALPS処理水の海洋放出は科学的に安全と信じ込ませようとする政府や東電と癒着する電通のPR活動に頭が宛も放射能でやられてしまっているかのように洗脳されているのだ。何しろIAEAといのは原発推進団体だからそこからお墨付きをもらっているからと言って単純に信用するのは迂闊が過ぎるというものだ。況して原発に関して政府や東電の言うことは便宜的に国民を言いくるめようとするものばかりだから特に信用してはいけないのだ。  繰り返すと放射能汚染水を海洋放出することは絶対やってはいけないことであって大型タンクを設置して貯蔵するなりモルタル固化するなり地下へ圧入するなり海底の深層に注入するなりして放射能の寿命が尽きるのを待つことが最善の処分方法なのだが、最もローコストでイージーでリスキーな最悪の処分方法を選び、それを無理矢理、肯定しているのだから然もあらん。  何しろ放射性核種は海洋生物に取り込まれ、食物連鎖の最下層に位置する植物プランクトンや小さな藻類からマグロのような大型魚類へと移行する過程で生物濃縮され、食物連鎖の頂点に立つ人間の体に取り込まれる訳だから人間にとって最悪のシナリオなのだ。その場合マグロは生きている間に放射性物質を取り込み続けるが、放射線核種によるベータ線被曝は皮膚や衣服が放射線を遮る外部被曝と全く異なり、一度汚染されたマグロを体内に摂取してしまうと体内の細胞は保護されずDNAの損傷やRNAの損傷など生物の生存や健康にとって極めてシリアスな害毒となるのだ。況して水の惑星と言われる地球の美しい海を放射能で穢すとは言語道断。  これからずっと続ける訳だし、そう思うと政府はこの夏の終わりに万死に値する罪深い決断を下したと言えよう。ま、大陸棚外縁断層という大きな活断層の上に建つ六ヶ所村再生工場を稼働させプルトニウムを取り出して核兵器を保有する野望を持つ日本政府ならではの大過、アメリカ人のスラングを借りて言えばファッキンジャップといったところか…と言ってもアメリカは曾て海で核実験していたし、人類って色んな汚染水を海に垂れ流して来たからな、日本だけじゃないか、しかし、核燃料デブリに直接触れた汚染水を垂れ流しているのは日本だけだし、それで穢し続けたら生態系が崩れるし、行く行くは海がもたなくなるだろうからやっぱり海洋放出してはいけないのだ。何より子供たちの将来を考えてみよ!将来、健康被害を受けるかもしれないという不安を抱かせるだけでも罪なことなのに…そんなことお構いなしで私利私欲に走る政府の暴走を抑えるには国民一人一人が怒りを露わにする、まずそこから始めないと何も始まらない。  
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