1 妖怪、オバケ、宇宙人って信じる?

4/4
前へ
/46ページ
次へ
「へっ?」  宇宙人? 急になんで?   ぽかんとしていると、七星くんはエプロンをぎゅっと握って言葉を続けた。 「苺ちゃんは宇宙人っていると……思う?」 「えーっと……うん。いると思う。だって宇宙ってすっごく広いから。絶対人間みたいに宇宙人もいると思うんだよね」 「じゃ、じゃあさ、妖怪は? こわい?」 「妖怪? いや、人を食べるとかじゃなかったら、こわくないけど」 「じゃ、オバケはっ?」 「オバケは……会ってみたいよね。友達になってみたい」  宇宙人、妖怪、オバケ。  七星くん、急にどうしたんだろ?  冗談言ってるのかな? って思ったけど、七星くんの目は真剣そのものだ。 「あの……七星くん。なんでそんなこといきなりきくの?」 「い、苺ちゃん! お願いがあるんだ!」  七星くんは声を大きくして、私に一歩つめよってきた。 「あのさ、家の仕事が今大変で……その、苺ちゃんに手伝ってほしいんだ!」 「仕事?」 「うん。お願い!」  七星くんは必死の表情で私を見つめたあと、ガバッと頭を下げた。 「うわっ? 七星くん、どうしたのっ」 「お願いだ。このとおりっ!」  更に深々とお辞儀をする七星くん。  ええっ、どどど、どうしちゃったの? 「あ、あのさ! とりあえず頭上げて! 私にできるこことなら手伝うから」  顔を上げた七星くんは、ちょっとほっとしたように表情を崩した。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加