3 ひみつの保育園

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「とりあえず、紹介するね。まずこの子から」  七星くんは、猫耳をつけた男の子の肩をポンとたたいた。 「この子はミケト。妖怪猫だよ」  ようかい……猫?  ミケトと呼ばれた子は普通に人間の顔。  ふっくらした頬がほんのり赤くてかわいい。  だけど頭の両サイドに三角の耳がついていて、よく見ると鼻の横に左右それぞれにピンとしたヒゲがある。  耳もヒゲもおもちゃかなって思ったけど、近くで見たら生きてるみたいにぴくぴく動いてる。  長いまつげに瞳は真ん丸。黒目部分は細長くて……そう。猫みたい。  ズボンからひょろりと出たシマシマのシッポが落ち着きなくパタパタ動いた。  ……人間じゃない? 「よ、よろしくね。ミケトくん」  とまどいながら頭を下げると、ミケトくんに顔をプイッとそむけられた。 「こら、ミケト。ちゃんとあいさつしなきゃ」  七星くんがミケトくんに言うけど、そっぽをむいたまま。 「こっちは雪女のマユキ」  七星くんが着物ドレスの女の子の頭を優しくなでる。  雪女? ……ってことは、さっきの吹雪はこのマユキちゃんが出したの? 「よろしく。マユキちゃん」  笑いかけたけど、マユキちゃんにもスッと視線をそらされた。 「で、こっちが宇宙人のセナ。アンドロメダ銀河から来たんだよ」  七星くんがちらっと見たのは、黄色いパーカーの服を着た男の子。  パーカーの裾にはパンダの絵が刺繍されていて、ポケットから小さな動物図鑑がひょっこり見える。   おおっ? この子……間近で見るとすっごくキレイ!  なめらかな白い肌、サラサラの銀色の髪。瞳が吸い込まれそうに青い。  美しいって言葉がぴったりの子だ。 「ハジメマシテ。セナデス」  セナくんがぺこりとお辞儀をした。 「あ、ヨロシク、です」  ついついセナくんの言い方につられちゃった。  言葉がカタコトだ。……宇宙人だから? 「この子は、ぼくのクラスメイトの苺ちゃんだよ」 「あ、あのこんにちは。ニンゲンの夏宮苺です……」  急に七星くんから紹介されて、あわててぺこりと頭をさげた。  ニンゲンの……って。はじめてこんな自己紹介したよ。  っていうか、この子たち本当の本当に人間じゃないの?
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