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私はオリンピックに出場できることになったことを一紗に報告しようと一紗のお墓参りをすることにした。
お墓に到着した私はさっそくお墓の周りの草取りをしたり、墓石に生えた苔を丁寧に取り除いたりした。
また掃除を終えたら、墓地で借りた手桶と柄杓で墓石に水をかけた。
そして新しく花を生け、束のままの線香に火をつけて供えた。
私はお墓の前で手を合わせて、心の中で一紗に報告をした。
(一紗、オリンピックに出場することになったよ!)
この時私は、名古屋ウィメンズマラソンのレース中に一紗から声をかけられたことを思い出していた。
(レース中に声をかけてくれたのは一紗だよね!
オリンピック一緒に行こうね!)
私がさらに心の中で声をかけると、私の目の前に一紗が現れて、笑顔で頷いてくれているように感じた。
一紗の姿は、あっという間に消えてしまった。
一紗が私の近くで応援してくれていると思うと、私はとても安心することができた。
私はオリンピックでも全力で走ることを天国の一紗に誓った。
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