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元来、日坂君は話すのが苦手で、他愛もない日常会話でさえ、度々言葉が詰まって上手く話せなかったとのこと。……うん、よく分かるよその気持ち。僕も同……いや、流石に僕と同じなんて言ったら失礼だよね。
そして、中学一年生のある春の日――クラスの発表会にて、緊張のあまりほとんど声すら発せなかったとのこと。うん、なんだか親近感が……まあ、僕の場合はそれが標準状態なんだけども。
すると、ほどなくしてそんな彼を揶揄い馬鹿にする声が次々に飛び交い……うん、辛いよね。ほんとによく分かるよ。
そして、次第に居た堪れなくなった日坂君がとうとう逃げ出してしまいそうになった、その時――
『――ちゃんと聞いてあげようよみんな! 頑張って話そうとしてるじゃない、日坂君』
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