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「……後から思えば、まあ随分な自意識過剰だったと呆れ返ったもんだが……それでも、あの時はクラス全員が敵――とまでは言わなくとも、全員に嘲笑われてるもんだと本気で思ってた。まあ、それは流石に被害妄想だとして……それでも、俺の話を真剣に聞こうとしてた奴なんてまずいなかったっていうのは思い込みじゃねえと思う。まあ、喋らない俺が悪いんだから仕方ねえけど。
――だけど、夏乃は……夏乃だけは違った。あの発言の後、驚いてそっちを見てみたら……あいつは、俺の目をじっと見て待っていた。急かすわけでもなく、ただ真摯にじっと俺が再び口を開くのを待ってくれていた。自分でも大袈裟だとは思うが……そんなあいつの強さと優しさに、俺は救われたんだ」
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