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一年生のクラスは、偶然にも三人とも同じだったため、教室に入った後牡丹を探そうと思っていた私は驚いた。
「時羽も牡丹も、同じクラスだったんだ」
「えぇ。それにしてもお二人が来てくれてよかったです。校門をくぐったはいいものの、お二人ともいらっしゃらなくて」
困ったように眉尻を下げて言う牡丹。
「牡丹が鞄置いて先に行っちゃったからね。まったく」
「うふふ、すみませんでした。つい感情が先走ってしまって」
「國武さんも意外とおっちょこちょいなんだなあ」
牡丹はのんびりと笑っていて、時羽は何かに納得したようにうなずいている。
「とにかく、授業が始まる前に学校について良かったよ」
「ええ、本当に」
「……それって、國武さんが言えること?」
時羽が呆れたようにそう言った。
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