28人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「先輩や後輩など、このまま何もせずにいたら出会えなかった方々。部活内で話してみたら馬があったという方など、部活動という同じ目標、または志を持った仲間とともにいることで、大きく成長することができるのです」
言葉を紡ぎ出す牡丹。そこには大きな熱意がこもっていた。
「私、星露に入学したら、古典研究部に入部すると決めておりましたの!」
右拳を握りしめ、クイッと上を向いて心意気を話す。
「古典研究……ってことは、平家物語とかも読むの?」
平家物語は、私の名前の由来にもなっている一文が登場する。その意味を深く考えられるのなら、すこし気になる部活だ。
対して牡丹は眉尻を下げて微笑む。
「詳しい活動はあまり知りませんの。ですから、明日の部活動見学で詳しく質問する予定ですのよ」
「そうなんだ」
「國武さんは目標が定まっててすごいなぁ……。っていうか!次ランチじゃん!急がないと楽しみにしてたランチが売り切れちゃう!ほらふたりとも、急ご!」
そういうが早いか、時羽はスタタタと教室を出ていった。
「……梅崎さんったら、とってもランチが楽しみですのね」
「牡丹も朝こんな感じだったけどね」
星露の生徒のランチは、学食と、寮から持参するお弁当の二種類がある。
学食は予約制ではないから、人気のものはすぐに売り切れてしまう。だから先程の時羽のように、みんな急いで食堂へ向かうのだ。幸い私は今日はお弁当のため、そこまで慌てなくても大丈夫。
最初のコメントを投稿しよう!