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ちょっと昔話をするね。
昔、ある山の上に小さな村があった。その村に御蔵神社があった。
御蔵神社は山の上の村人だけでなく、山の下にある村人も大切にしていた。
毎日お酒や食べ物やお花が置かれた。
ある日大洪水が起こり、川があふれかえった。
山の下の村人は家や畑を守ろうとしたがうまくいかず、山の上に避難して村が沈むのをただ見るしかなかった。御蔵神社の神主さんが
「なにか自分にできることはないのか」
と思った時神社から1つの光の玉が飛び出していった。
そして光が村を包み、濁流を弾いた。
その光はまた戻ってきて神主の胸に入っていった。
翌朝、何事もなかったかのように元通りになっている田畑と家があった。
その日から村人に不思議な力が宿った。
人より5倍速く動けるようになった人は田植えが早くできるようになった。
災害を予知できるようになった人は事前に村人に知らせ、被害を抑えることができた。
視力を自由に変えられるようになった人は遠くの鳥も見つけて仕留められるようになった。
力は10歳以上の村人のみ宿った。
そして10歳になり、神社で作られる特別な色紙にその子が力をこめると、文字が浮かび上がりその通りの力が宿ることが分かった。
だんだん村は豊かになっていった。
時がたち、その子孫が他の場所に移住していく。
10歳になるとその村に戻り、神主から力をもらう。
代々ほとんど同じ力が宿ることが最近分かってきた。
この力は『御蔵の神力』と呼ばれている。
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