1人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、私はその子孫なのだ。
私、鯉口雫は今日10歳の誕生日を迎えた。
そしてこの御蔵神社で儀式をしてあこがれの力をもらえるの。
あ、力は『もらう』んじゃなくて『借りる』んだった。
10歳になって力を借りて、この世とお別れする時にまた神社に返すらしいんだ。
それがまた新しく10歳になった子に渡されるんだって。
と言っても、ランダムだから何が渡されるかはわからないの。
おばあちゃんがここ、御蔵山出身なんだけど、18歳の時に外で働くためこの山を出てたの。
そしてそのままおじいちゃんと結婚したからお母さんも私も御蔵山出身ではない。
ただ、年に一度の御蔵祭やお姉ちゃんの儀式で来たことはあった。
第2の故郷というほど来ているわけではない、だけどどこか懐かしい感じはする。
これが『御蔵の神力』を持つ私たち『神力者』の本能なんだろうか。
そんな素敵な場所と能力なのに・・・私ってば何をやってしまったのか。
最初のコメントを投稿しよう!