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8月19日 土曜日
四人そろって朝ご飯を済ませてから、しばらく。
「一緒に走ってほしい? なんで?」
きょとんとした顔で、夏海が陸に聞き返した。
「走るのが好きで学校でもいつも走ってるから、こっちでも走りたいなって。でも、道がわかんないから」
陸が昨晩遅くまで考えた言い分に、夏海は困ったなぁと眉をひそめる。
「外、暑いよ?」
わかってる、それでもと陸は食い下がる。
「こっちに来てる間くらいいいんじゃない?」
継続は力なりって教わったと陸は食い下がる。
「どうしても?」
「どうしても」
てこでも動かぬ体の姿に、夏海は折れて苦笑した。
「わかった。そこまで言うなら。ちょうど靴も持ってきてるし。ちょっと待っててね」
軽やかに駆けていく夏海を見ながら、しめたと思う陸だった。
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