2人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
「人の努力を笑ったこと」
皆様は人の努力が意味が無く、無駄なものだと思ったことはありますか?
これは、ある一人の少女の話です...
わたしは孤氷 真理。今は中三で、有名校である私立紅潮高等学校への、受験を控えている。
といっても、ほぼ合格したもんだが。
わたしが在籍している国立黎明中学校では、その紅潮高校へ行ける枠が一人分、必ずある。
他中学校は関係無い、ここだけの特別な枠。
今年の受験希望者はわたしも含めて二人しかいない。
そのもう一人の名前は煌救 麗愛。
成績はいつも下から2~5番目くらいの女の子。
だから、彼女は推薦枠を取れず、先生からの口添えさえ、貰うことはできなかった、そんな夢見少女。
対してわたしはその全てを得ている。実力の差は一目瞭然だった。成績だって、上位10位中から、落としたことは無い。
それに、この枠は確定枠だから、最悪、合格点をいってなくても、推薦枠が通っていたら全然いけてしまうのだ。
そして、わたしは推薦枠は既に合格している。
だから、もう、わたしは合格しているようなものだった。
彼女はそんな状況にも関わらず、ワークと向き合っていた。
「...今更そういうことしても無駄でしょ。」
『...』 「あ、無視?...そりゃそっか。」
「...まぁ、そんな調子できたから、こんなことになっているんだもんね。...ww」 『...』「...今更過ぎ...www」
『...』「...《今更、努力したって、無駄なのに。》」
そうしてやってきた、運命の日。
まあ、結果なんて、分かり切っていたが。
わたしは特に緊張もせず、特別枠の名簿欄を見た。
そこには、『煌救 麗愛』の名前があった。
『孤氷 真理』の名前はどこにも無かった...
...どうして?...だって彼女はただの筆記枠で...
...わたしは見た。...いや、見てしまった...
~~~~~~~~~~~~~
ーーーーーー ーーー点
92 煌救 麗愛 487 点 (合格)
ーーーーーー ーーー点
~~~~~~~~~~~~~
90 孤氷 真理 409 点 (不合格)
ーーーーーー ーーー点
~~~~~~~~~~~~~
...わたしも、悪かったと思う。この点数に関しては。
...でも、なんで、彼女が、あいつが...
「っ~~~!!」...初めて後悔した。
...『努力は無駄になんてならない』...
最初のコメントを投稿しよう!