僕の完璧な旅行計画

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見渡す限りの砂丘、その砂を一歩一歩踏み込む感覚に身を任せ、何ならラクダで並んでポックポック進みながら広々とした空間にてプロポーズ―― ――の計画だった。 ゆきぃぃぃ? 雪=大気中の水蒸気から生成される氷の結晶が空から落下してくる天気:ウィキペディアより。 いや、調べなくても知ってるわ! 砂丘に雪が降ると一面雪景色。……って、砂丘が見えなくなると、普通に普通の雪景色だった。 くくく、と彼女が笑い出した。 「砂、一粒も見えないね」と。 「うん」 そして僕も笑い出した。 「いつかまたリベンジしに来よう。……そのときには夫婦として来られたらなってのが僕の希望なんだけど」 そんなセリフ、欠片も用意してなかった。計画外。急に降りてきた。 「OK」 彼女はそう即答し、楽しそうに笑った。 そして僕らは4人で、コーヒーを飲んだ。
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