僕の完璧な旅行計画

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「今日はパスタの気分だな」 アニキが勝手にキッチンを探ってる。ああもう、あっち開けてこっちも出しっぱなしで。 大体、パスタは確かあと10本くらいしか残ってなかった。買い足さなきゃと買い物メモに書いたはずだ……うん、確かにそうある。だからパスタはない―― 「できたぞ~!」 ――い? 2人分の皿にてんこ盛りの麺。 「パスタ足りなかったからその辺にあった麺全部混ぜた。うん、なかなか」 ゾゾゾ、と吸い込むアニキは満足げだ。 素麺にウドン。中途半端に残っていた乾麺がまとめて茹でられ、冷蔵庫の奥の隅に眠っていた萎れかけのトマトやネギと共に炒まっている。 いつが賞味期限だったか不明のチューブショウガが使い切って捨ててある。それが、なかなかに効いている。 ……悪くない。 最初は恐る恐るチュルッと啜った僕だったが、すぐにガバガバ平らげた。 そうだった。出たとこ勝負な性格のアニキはこういうことが大得意。臨機応変な突発性気まぐれは、柔軟でTPOに応じて反応できる、一種の才能。 いつも振り回されて迷惑千万。でも、ときどき晴れ。
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