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落とした不安はサムシング
刹那的なあなたは
不安がりの私に言う
明日は明日でどうにかなるさ
不安がりの私は
刹那的なあなたの言葉を
器用に信じられない
その明日が怖いから
一秒ごと
明日に近づいていく
何が怖いのかと問われ
思いつくかぎりを言った
失う怖さは
弱い私には耐えられないから
不安がりの私には
あなたの気楽さが憎くもある
でもそんなあなただから
私の居場所にもなってくれる
怯えることが私の本質
ハッピーエンドぐらい
求めたっていいじゃない
そう言うと
あなたは快活に笑った
何も言わずに ただ笑った
その後の抱擁で
私はひとつ
不安を地面に落とした
拾わなきゃ、と思っても
抱擁は解けない
そうしているうちに
不安は坂道を転がっていった
またいつか
それを拾って
抱え込むかもしれないけれど
今このときに
落とした不安はサムシング
どの不安を落としたんだか
分からない
それもまたいつか
判明するかもしれないけれど
漠然と
何かを落として
瞬間 手から離れた
あなたの無言の抱擁は
分からない何かを
こそぎ落とすように取って捨てた
刹那的なあなたは
不安がりの私に言う
捨てたものは拾われない
今頃回収されてるさ
日本はごみをそのままにしない
だからもう出てこないよ
私の不安は
どこかで燃やされてしまう
刹那的なあなたの言葉が
実に子どもじみていて
可愛さと馬鹿らしさで
何故だか自然と
笑えてしまった
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