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「ミランダ、寒くないか?」
「大丈夫ですわ」
夜、テントの中で抱き合いながら、私たちは過ごしていました。
「やはり、すきま風が吹いている」
「そうですか? 直したと思ったんですけど」
「直しがあまいんだ。やはり、屋敷に……」
「いいえ。約束です。今日はテントの中で一緒に寝てください」
テントがある場所は屋敷の中庭。そこに小さなテントを立てて二人でいます。
冒険者になるのは無理ですが、テントの中で過ごしてみたいと私からお願いをしました。
アルファ様は熱が引いたら……と、しぶしぶ了承してくださいました。
寝袋の中でぴったりとくっついて眠る。なんて、幸せなんでしょう。
「あ、見てください。星が見えますよ。アルファ様」
「あぁ、キレイだな」
そう言うと、アルファ様は微笑まれます。
「ふふっ」
「?」
「笑いじわ、増えましたね」
「私ももうすぐ40だ。年もとった」
「そうですわね。私も年をとりました」
「でも、ずっとずっと変わらないものがあります」
「なんだい?」
「それは……アルファ様に対する思いですわ」
そう言って、アルファ様の頬にキスをする。
「愛してますわ。アルファ様。ずっとずっと」
そう言うと、アルファ様の耳は真っ赤に染まりました。
そして、私たちを見守るように、キラキラ、星は瞬いてました。
end
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