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いそいそとテントをしまい、部屋に戻ります。
美味しい食事を頂き、お風呂にも入り、淑女のたしなみをひととおりおえ、さぁ、寝ましょうとした時にまたもアルファ様から手紙が届きました。
一日、三回も届くなんて……と、思いながらも、手紙を読みました。
『ミランダへ
穴を塞ぐなんて時間がかかっただろう。君は裁縫があまり得意ではないだろうから。それよりも、手縫いなら、穴は完全に塞がってないだろう。やはり、心配だ。星空を見るのもいいが、暖かい布団でゆっくり寝てほしい。
星空の代わりになるか分からないが、星の砂をあつめた砂時計を見つけた。どうか、これで我慢してほしい。
お願いだから、屋敷で待っていてほしい。仕事を早く片付けて帰るようにするから。おやすみ、ミランダ。よい夢を。
アルファより』
星の砂の時計……。
目を凝らしてみると、砂の粒が星の形をしていました。キラキラと光りながらゆっくり落ちる砂を見ていると、心が落ち着く──わけ、ありません。
こんなものでほだされませんわよ。
私は少し怒りながらペンをとりました。
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