65人が本棚に入れています
本棚に追加
仕方ありません。今日は別の作業をしましょう。
そういえば、娘時代によく着ていた服があったはず。あれなら動きやすくて、冒険にはもってこいです。さぁ、そうと決まれば、早速出してみましょう。
着古された洋服はすぐに見つかりました。それを見つめ、懐かしくなります。
そういえば、アルファ様と出会ったばかりの頃、この洋服を着ていたわね……
あの頃は良かった。アルファ様も近くにいて、よく話をしてくれた。口数が多い方ではなかったけど、そばにいて微笑んでくれた。幸せだったわ……
感傷にひたっていると、またもアルファ様から手紙が届きました。
『ミランダへ
君が寂しい思いをしていたなんて……気づかずにいてすまない。確かに私は、君のことがとても心配だ。とてもとても心配だ。君は気が強いが、体は丈夫ではない。君と出会った頃も、よく熱を出していたし、今も、寝込むことがあると聞いている。君にもしものことがあったらと思うと、不安なのだよ。わかってほしい。
今日は雨だから出かけられないだろう。ゆっくり休んで。無理しないように。君の好きなハーブティを見つけたから、送るよ。
アルファより』
まあ、そんなことおっしゃって! 私は丈夫ではないですって? そんなことありませんよ。確かに昔っから、外で遊んで暴れては、熱を出してましたよ。
頭がボーッとして、視界がぐらぐらしていたわ。そうよ、今まさに、こんな感じで。
ん?あらら?
なんで、私、フラフラしてるのでしょう?
そのまま、私の視界は真っ暗になりました。
最初のコメントを投稿しよう!